あらすじ

話の核心をつこうとする兵藤の言葉を否定し、急に態度を変える橘と、そんな橘を深追いできない兵藤……微妙な距離感のまま、数日がすぎたある日。うたた寝していた兵藤は、またあの謎の手の感触を感じ、その手を掴むと、目の前にいたのは、珍しくうろたえる橘だった……。
霞がかった輪郭の先 1

組同士の抗争で傷を負った兵藤を助けたのは、そっけない態度の盲目の彫刻師・橘。手当を受け橘の家にやっかいになった兵藤は、夜な夜な自分に触れる謎の手の感触をなぜか嫌いになれずにいた。傷も癒えはじめた兵藤は、橘の作業場で、ずっと考えていた「あること」を橘に話す。

霞がかった輪郭の先 2

話の核心をつこうとする兵藤の言葉を否定し、急に態度を変える橘と、そんな橘を深追いできない兵藤……微妙な距離感のまま、数日がすぎたある日。うたた寝していた兵藤は、またあの謎の手の感触を感じ、その手を掴むと、目の前にいたのは、珍しくうろたえる橘だった……。

霞がかった輪郭の先 3

兵藤の外出中に家のチャイムが……橘がドアを開くと、そこにいたのは橘のファンを公言している画廊オーナー・森田だった。画材を届けにきたとほほ笑む森田を、どこか怯えた表情で迎える橘。作業場にあった新作の彫刻を目にした森田がとった行動とは……。そして、抗争で行方不明とされていた兵藤にも、とうとう警察の手が……。