あらすじ

「俺は番を作らない それがたとえ“運命”だとしても」ただレオを守りたい、その一心で番になろうと持ちかけた伊織(いおり)だったが再び拒まれてしまう。きっぱりとした彼の態度に落ち込むも、風邪を引いているという話を聞き意を決してお見舞いに行くことに。――ところが施設を訪れると、そこには発情期を迎えたレオの濃厚なフェロモンが満ちていた。このドアを開けたら、きっと俺は俺でいられなくなる――…本能と理性のはざまで揺れる伊織の選択は…
キスは番にひざまずく kiss.1

「全部全部 中に出して――この人を孕ませたい」“運命の番”を夢見るαの伊織(いおり)がある日出会った運命の相手―― それはΩ性を武器に学園のαを食い散らかす『α喰い』として有名な女王様Ωのレオだった。本能で惹かれた伊織は話をしたいと早速アタックしに行くが、αを嫌うレオの妖艶なフェロモンに挑発され、見事ノックアウト。意思とは裏腹に身体を繋げ、激しくレオを抱き潰してしまい…! その感情は――恋か運命か本能か? 最低最悪な出会いから始まるオメガバースラブ!

キスは番にひざまずく kiss.2 前編

レオと事故的に関係を持ってしまい、落ち込む伊織(いおり)の元に『α食い』の一員である千歳(ちとせ)はやってきた。「勘違いか運命か、君はどっちだろうね」挑発的にそう告げられ、レオとの運命を確かめたい伊織が再び空き教室へ向かうとそこには激昂したレオの姿が。言い合いになるものの、他のαと同様一回きりのセックスとして片付けようとするレオ。しかしどうしても諦めきれない伊織。取りつく島も与えてもらえない状況下、二人はある場所で再会し――…?

キスは番にひざまずく kiss.2 後編

同じ施設の子ども達のおかげでレオと会うことができた伊織(いおり)。相変わらずレオはそっけない態度だが、子ども達に懐かれ施設に入ることを許された伊織は次第に皆と仲良くなる。そんな様子を不思議な目で見守るレオ。レオ以外に懐かない少女が伊織に好意を見せたことで、次第に彼を見る目が変わっていく…。あたたかい交流を通して二人の心は少しだけ近づき始め、伊織は再び誠実に想いを告げるが――…

キスは番にひざまずく kiss.3

いっそ、その手を握り返してしまえたら――。本能に抗って、レオと恋をしてみせる。そう告げる伊織(いおり)の姿に、頑なに拒否し続けていたレオの心は揺れ始める。今まで多くのαと体だけの関係を持ってきたレオ。伊織の言葉を綺麗事だと思いながらも、彼の眩しいほどの真っ直ぐさを否定しきれず――。施設の子どもたちと遊ぶ姿を見て、レオの頭は伊織のことでいっぱいになっていく。体だけでなく、少しずつ心も惹かれあっていく二人。そんな折、突然レオの体に異変が起き――…!?

キスは番にひざまずく kiss.4 前編

「生まれてきてくれてありがとう、零(れい)の王様」突如救急車で搬送されたレオ。いてもたってもいられず追いかける伊織(いおり)だったが、レオの友人たちに冷たく突き放されてしまう。――そして薄れゆく意識の中、レオの中に浮かんでは消えるのは遠いあの日の記憶。レオの母親、零はシングルマザーのΩだった。決して裕福でないながらも親子二人幸せに暮らしていたある日、レオは零から恋人を紹介される。新しい父親を迎え、三人で家族になれたらと喜ぶ零に…その不幸は突然訪れた。

キスは番にひざまずく kiss.4 後編

レオを追いかけるも面会謝絶をくらった伊織(いおり)は、レオの友人達から彼の体質の真相を知らされる。母親の事件から誰よりもαを憎んでいるのに、αホルモンを取り込まなければ普通に生きられない。加えて通常より濃い発情体質であるレオは、過去に何度も人間関係で悩まされてきた。真実を知った伊織は覚悟を決め、苦しみの中でもがき続けるレオを救うため「番になろう」と持ちかけるが――…恋と運命が交錯する、クライマックス突入!

キスは番にひざまずく kiss.5 前編

「俺は番を作らない それがたとえ“運命”だとしても」ただレオを守りたい、その一心で番になろうと持ちかけた伊織(いおり)だったが再び拒まれてしまう。きっぱりとした彼の態度に落ち込むも、風邪を引いているという話を聞き意を決してお見舞いに行くことに。――ところが施設を訪れると、そこには発情期を迎えたレオの濃厚なフェロモンが満ちていた。このドアを開けたら、きっと俺は俺でいられなくなる――…本能と理性のはざまで揺れる伊織の選択は…

キスは番にひざまずく kiss.5 後編

『最初から分かってた、お前がただのαじゃないことぐらい』どんなに強く拒んでも自分を追い続け、真っ直ぐに見つめる視線、優しく熱く触れる手。信じた未来を語るたびにどうしようもなく心は揺れた。ついにレオは伊織(いおり)の手をとる。愚かな選択と痛いほど分かっていても運命を信じてみたいと咽び泣くレオを、しっかりと伊織はその腕の中に抱いた。心を通わせた二人は発情のフェロモンに呑まれるように熱く身体を繋げ――…切なく狂おしい運命を信じた愛の結末は? 感動の最終話!