ロマンチックな恋愛にあこがれる少女、歩。中学卒業を間近に控えたある日、自分の日記を見知らぬ男子に拾われる。彼の名は折原浩介、誰からも好かれる明るい少年だった。高校の入学式で再会した歩と浩介は、やがて1冊の日記帳を介して気持ちを伝えあう。ときには迷ったり、悩んだりしつつも、2人は仲間と共にかけがえのない日々を過ごしてゆくのだった。高校生のピュアな交際を描くシリーズ、第1巻(全2巻)。ピアノのある喫茶店を舞台に、少女の心の揺れを描いた『坂の上のコーヒー館』をあわせて収録。
恋人の死の真相は……!? 秋津苑子はハウスキーパーに身をやつし、恋人の勤めていた会社のトップ・壬生壮一の邸宅にもぐりこんだ。恋人は自殺と発表されていたが、壬生が罪を着せて葬った疑いが強いのだ。彼が真犯人であるなら、同じような喪失の痛みを味わわせてみせる……。壬生夫人の忘れ形見、百合絵を奪うことで! ところが1枚の写真がきっかけとなり、事態は驚愕の展開をむかえる! 表題の「アストレア」とはギリシャ神話で正義を司る女神。人間のあさましい争いを嘆き、天に昇り乙女座となった。女神までも絶望させる人間たちの憎しみに満ちた名作サスペンス。他、1編を収録。
真琴と映美は、かつて同じ学園で机を並べた仲。社会に出てからは接点がなかったが、ある男性をめぐって再会し、旧交を温めることとなった。恋愛に対し積極的な映美と、常に一歩引いて考える真琴は好対照。本気のケンカや仲直りを繰り返しつつ、女ふたりの付き合いは途切れずに続いてゆく。理想の彼氏を手に入れるのは、どちらが先になることやら!? 大人の女性の友情ラブコメ、1巻(全2巻)、おまけに恋愛短編1本を収録!!
イラストレーターの涼子は、そろそろ結婚して家庭を持ちたいと願っていた。だからこそ会社員の義彦からのプロポーズを受け入れ、成り行きに身を委ねたのだ。しかし婚約披露の宴席で、フィアンセよりも魅力的な男性と出会い、瞬く間に心を奪われてしまった。こんなことは許されないと思いつつも、彼の面影を忘れることができない。その想いは、家族や義彦に背を向けてでも貫きとおすべきなのか? ひとりで悩んだ末に、涼子が出した結論とは……。3話に分かれている中編「エンゲージリング」は、心のゆらぎを追ったラブストーリー。《他の収録作品》 女性誌編集の麻衣は、若き映画批評家の倉前を担当することになった。倉前はしょっちゅう軽口をたたき、なかなか本心をみせないタイプ。だが文才は確かで、読者からの反応も良い。一緒に仕事をするうちに、麻衣はしだいに好意を抱きはじめるが…(『クリスタルレイン』)。
高校生の未来は、両親の不和を肌で感じ取っている。父も母も忙しい仕事があり、コミュニケーションよりそちらを優先しようとする。いつの間にか、未来は自分の思いをはっきりと言えなくなっていた。ある日、学校で水泳の講習に参加すると、気になっていた男子・宮沢くんとばったり出会う。学校での人間関係は、憂鬱な日々を変えてくれるのか……? 表題作の『永遠のひとかけら』は、多感な年頃の少女が主人公の連作ストーリー(全3話)。ほか、避暑地での出会いを描く『男と女のSomething』を収録。
美大に通う由香利は、少々そそっかしいところがある18歳。ある晩、銭湯帰りに親切な人を痴漢と思い込み、きつい一発をお見舞いしてしまった。後日、叩かれた不運な人物は美大で染色を学ぶ青年だとわかる。次第に親しく接する2人だが、いつのまにか由香利の親友・梓をふくめた三角関係へと発展する。友情と恋愛は両立するのか? 表題作『ファニーフェイスめるへん』は、ゆれ動く気持ちを追いかけた短編。その他、喪失と再生を描くホームドラマ『アレンジファミリー1+4』など全3本を収録!!
中学生の結花は、兄に複雑な思いを抱く少女。優しくてルックスのいい兄・邦彦は、同級生からも憧れの視線を向けられている。仲の良い兄妹を演じる2人だったが、結花は自分たちが血の繋がらない関係であることに気づいていた。秘密はいつまで守られるのか? 表題作『花詩集をあなたに』は、少女の内面を描き出すホームドラマ。他、スケートリンクでの恋を描いた『氷上のペトルーシュカ』などを収録、全4編の短編集。
結婚6年目の主婦・由利は3泊4日の沖縄旅行を楽しんでいた。連れはダイビングスクールで知り合った征樹。お互いに割り切った上での不倫旅行。征樹のやさしい心遣いのお陰で、満たされていると感じる由利。ところが荒天のために帰りの飛行機が遅れ、由利と征樹はパニックに。開き直ることも相手をいたわることもできず、ただ情けない言い訳を考えるばかり…。表題作をはじめ、大人の女性のための4つのショートラブロマンス!
冬山の事故で兄を失い、真琴は悲しみに沈む。山頂に天文台を作るという兄の夢は、あっけなく途切れてしまった。婚約者の和臣は、遭難の原因は自分だと思い詰める。悩んだ末に、和臣は再び山へ。悲劇はくり返されてしまうのか、それとも……? 表題作『星の道標』は、大自然の中で昇華されるラブロマンス。他、年下の男の子との恋を描く『一つちがいのラブソング』、路上の出会いから始まる『もう一度待人通り』を収録。
加世子と柊平は同棲をはじめたばかりのカップル。とりあえずマンションの4階で、新しい生活をスタートさせた。もちろん、遠くない将来に結婚するということを考えている。この同棲は、その日のためのウォーミングアップみたいもの……。そう思ってはいても、いつどこで変わるか判らないのが恋愛というもの。一緒の部屋にいることで、かえって以前より距離を感じることもある。加世子は、今さらながら男女の価値観の差について悩むのだった。そして柊平の父親が倒れたことにより、彼の家族とどう向かい合うかという問題が浮上。幾多の壁を越えて、加世子と柊平はウェディングベルを聴けるのか!? マンションの一室で喜怒哀楽を共にする、普通の二人のドラマティックなラブストーリー!!
懐かしい母校へと、教育実習にやって来た教師のたまご・可南子。そこで出会ったのは、苑井という名の問題児。校則違反と承知しつつバイクでの通学を繰り返す彼は、なにやら複雑な事情を抱えている様子。やがて、可南子の過去と苑井の行動につながりがあるとわかり、2人は徐々に気持ちを通わせてゆく。新米教師と教え子のただならぬ恋の行方は……。全3話の表題作と、切ない遠距離恋愛をつづった『セイリング初恋』を収録。
真澄は元OLの24歳。恋愛結婚にあこがれつつも、そこにいたる糸口を見つけられず、仕事にも馴染めないまま会社を辞めてしまった。劣等感を感じていた矢先、母親にお見合いを強引に勧められ、反発心をおぼえつつも行くことに。現われた男性は生真面目な証券サラリーマンで、印象は悪くなかった。交際は続けられてゆく。しかし、街で偶然かつての同僚と再会し、真澄の胸に憧れがよみがえるのだった。穏やかに通じ合える相手とお見合い結婚を決めるか、これから愛をはぐくんで恋愛結婚を目指すか。真澄の揺れる心は、1枚のコインに託されて……(「裏か表か」)。英会話が得意で、思い切って転職を考えている美沙。採用試験は停電で止まったエレベーターの中という、ちょっと変わったシチュエーションだったが、無事に社長秘書として雇われた。やがて社運をかけたプロジェクトが頓挫した時、美沙は社長を支えようと歩み寄るが……(「ここより永遠に」)。結婚をテーマに描かれる大人のロマンス、4篇を収録!
15歳の芦川ジョアンは、恋に興味津々のお年頃。制服をちょっと短く着てみたいし、夜遅くまで外出もしてみたい。けれど、男やもめの父親にいつもストップをかけられる。心配してくれるのは判るけど、もう少し理解が欲しい……。男の子と旅行する機会を得たジョアンは、小さな嘘をついて父親の承諾をもらうことにした。お互い知り尽くしているはずの親子は、このまま少しずつ離れてしまうのか? 家族の絆を描いた表題作と、女子剣道部員をめぐるラブコメディ『切りすてごめん!』など2短編を収録。
新入社員の麻美子は、すこし気が強く見栄っ張り。電機会社の支社に配属されたが、つきあっている俊之には本社勤務ということにしている。小さな嘘のつもりが、俊之の兄・信之が同僚だったことであっけなくバレてしまった…。人付き合いがよくて柔らかい気配りをする信之、生真面目で純粋な俊之。対照的な兄弟と接するうち、麻美子の胸の中である感情が芽生えはじめ…週末、恋の三角関係が少しずつ歪んでゆく。表題作の大人の繊細なラブストーリーの他、巻末に青春の淡い悔恨を描く「今日が終わるまでに」も収録!
都会の喧騒と仕事の重責、それらの合間を縫うように人は恋をし、誰かを愛さずにはいられない。大人のロマンス連作集、いま開幕のベルが鳴る! スポーツプラザで汗を流し、美しさに磨きをかける女性たち。その中の一人、OLの貴恵はプラザの経営者の息子に見初められ、交際を続けていた。周囲からの羨望にみちた視線を意識する貴恵だったが、しだいに心は冷めてゆく。そんな折に出会った臨時インストラクターの田所は、とてもまぶしい存在に思えた……(「ゆれる24歳」)。田所の本業は、貿易会社のサラリーマン。同じ職場に勤める瑛子は、ひそかに田所を想っていた。ある日、貴恵についてよくない噂を耳にした瑛子は、思わず敵愾心を燃やすが……(「ハートのAが出てこない」)。絆をふかめた貴恵と田所。しかし運命の悪戯により、貴恵と田所の兄が出会ってしまった。ぶどう園を経営する心優しい兄は、ほろ苦いロマネ・コンティを傾ける……(「ワインレッドの赤」)。情感あふれる4作品+短編「星環」を収録しました!
夕起はモデルクラブに所属し、各種企業のイベントで司会や商品説明を行なっている。仕事は華やかだがプレッシャーも大きく、同僚と励ましあいながら日々を送る。ある日、仕事先で気難しい男・久能木と出会った夕起は、反発しながらも次第に魅かれてゆくことに……。表題作は働く女性のラブロマンス。ほか、スキー場で始まる恋愛劇『20日間のシュプール』など全3作を収録。
喫茶店「ラ・マーレ」。ここは波の音をBGMに、手作りのケーキとお茶で来客をもてなす小さな店だ。もともと著名な画家のアトリエだったが、本人は旅先の事故で急逝。娘の瑠璃は、そのときに父が女性を連れていたことが許せない。時間が経った今でも、わだかまりを抱いたまま暮らしていた。そんなとき、店の手伝いに悠也という少年が現れ、瑠璃の想いを分かち合おうとしてくれる。少女は父を許し、未来へと踏み出せるのか? 3つのエピソードで完結する表題作をはじめ、さわやかな作品を収録した夏色短編集!!
OLのいさ子はお見合いパーティーの会場で、自分と波長のあいそうな男・岡島と出会った。しかし彼は、親友の朋子とカップルになってしまう。少し落ち込みつつも、ペルーへ単身赴任する岡島と朋子の仲を応援してやるいさ子。ところが、手紙の代筆を受け持ったことが思わぬ波乱を呼んで……。友情が重荷となる表題作『ラブコール』、主婦が巻き込まれる犯罪ドラマ『FURINすれすれ』など、全3作を収録。
かつて燃えるような恋をし、そのときの喪失感をひきずるOL・沙美。ようやく孤独感も薄らいできたこの頃、不意に昔の恋人から電話がかかり、つらい気持ちが蘇る。(「Call me」)。わかばマークの蔵本は急いでいた。新車に彼女を乗せて走る記念すべき日がやって来たのだ。しかし彼女は自動車教習所に勤め、レーシングクラブにも所属している…見栄ばかりで下手くそな運転をすんなりと見逃せるはずもない。蔵本が夢見ていた甘いドライブは、いつのまにか口ゲンカに発展し…。(「恋のチェッカー・フラッグ」)。辻村弘子先生が描く、大人の女性たちのラブストーリー、計5作品収録!
高校の入学式の日、生真面目な少年・名高耕はひとりの少女と知り合う。美しいバラの写真を抱えたその娘の名は、諏訪茉莉子。自分から周囲になじもうとする様子はなく、誰にも本心を明かそうとしない。彼女が目の前から消えてから、人々は少しずつ、その思い出を語り始めるが……。表題作『茉莉子について…』は、複数の視点で少女の内面を追う感動のストーリー。他、ケンカしながら絆を深めるホームドラマ『1/2の神話』など全3作品を収録。
東京に住む未央は、文通相手の少年に会おうと長崎へ向かった。相手の名前は、橋本潤。突然の来訪に彼は戸惑うが、話をする内に心を通わせる。家庭環境に悩みを持つ潤は、趣味のカメラを職業にしたいと思い始めていた。だが、母との別離がトラウマとなり、夕陽を撮ることができない。見守る未央は、この先も彼と共にいられるのか……? 表題作は、手紙が結ぶ少年少女の物語。ほか、思いがけず再会した男女のラブストーリー『落ち葉の音にふりむいて』など短編2本を併録。
万里江は夢見がちな少女。入学式のときに見かけた上級生にひと目ぼれし、なんとかお近づきになりたいと願っている。気持ちが天に通じたのか、ある日の公園で些細なやりとりに成功。万里江は一気に有頂天になる。友人の後押しも受けながら、ステップを踏んで親しくなっていった。だが、1本のルージュがとんでもない誤解を招いてしまい……? 胸騒ぎラブコメディ『ピンクのルージュ』をはじめ、気の早い婚約がひき起こす悲喜劇『ランジェリーの魔法』など、少女たちのおしゃれ心をとらえた5短編を1冊に!
作家・筒見夕貴は新たなチャンスに恵まれていた。出世作「グッバイ・レディ」の映像化にあたり、監督を任されることになったのだ。だが付き合いのある編集者・藤枝はいい顔をしない。腰をすえて文筆業に取り組み、いいものを書くべきだと教え諭す。後日、久しぶりに連絡のあった旧友・前沢を交え、酒盃をかわす三人。昔話に花が咲き、前沢は夕貴に想いを打ち明けた。かつての淡い思い出を頼りに、それを受け入れる夕貴だったが……。「サテライト・クルージング」は挫折と再生のラブロマンス。表題作の他、友情と恋愛の相克を追った「GAME」などを収録。全4話のレディースコミック短編集!
夏休み、亜子は友人2人と共に文通相手・洋平を訪ねた。もう1年も手紙をやり取りして、お互いに気心は知れている。何の隠しごともいらない、楽しい休暇になるはずだった。しかし足の不自由な洋平は、手紙での健康なイメージをこわさないようにと、自分の名を偽ってしまう。代役を頼まれた親友・東野は、次第に秘密が重荷になってゆき……。表題作『白いページのメッセージ』は、海辺を舞台にした恋物語。他、人生の岐路に立った少年を見守る『藍色の雨をかけぬけて』など、全4本を収録。