忘れない。想い出にしない。君が、何者でも。 父の命により、高等学校卒業後に廃旅館で一定期間生活をすることとなっている寺田家。三男の端之介も端之介もそこへ赴くことになるが、その際に二つのことを父から言付かる。一つは、日記を書くこと。そしてもう一つは…。今は昔のあやかし奇譚。
母の再婚話に反発し、自立を決意した光弥。けれど、写生にきていた裏山で落雷で気を失った光弥が目覚めたとき、目の前には見知らぬ青年がいて、自分をしばらく預かると告げた。しかもその青年の苗字は、母の再婚相手と同じもので…。
新聞部所属の女子高生・小川里。彼女の目下の気がかりは、幼馴染の片岡が周囲から孤立しがちなことで…。繊細で瑞々しい心の揺れを描いたシリーズ連作、ついに単行本化!