お高くとまりながらも陰のある花魁が主人公で、彼女を中心に情念渦巻く吉原の人間模様を描く…。そんな内容だと想像していましたが、本作はその先入観とはかなり違う、ずっと小気味の良い作品で、たっぷり堪能させて頂きました。主人公は地獄太夫と呼ばれる橋立花魁。どんな鬼のような花魁かと思うでしょうが、これはその技からついた異名。施虐の芸使い、そう、今でいうSMの女王様なんです(2巻の表紙でろうそく持ってます)。よく言えば客がどうして欲しいかを読み取る才能に長けている、悪く言えば変態専門の橋立花魁は人気も上々。で、この橋立が馴染み客と息の合った攻防?や、成り上がり者と意地の張り合い、はたまたとある武士と真剣勝負を繰り広げる。そのさまは上等な小話や落語を見ているようで、まさに”粋”のひと言。また著者はこの時代の吉原をずいぶん調べたようで、「えっ、これで避妊してたの」なんて薀蓄ネタも拾えます。3巻以降は単行本が存在せず、雑誌からの電子化で少々アラのある造りにはなってますが、野暮なことはいわずに楽しんでもらいたいですね。
ホスピスで患者が最後に食事を医師であり料理人である主人公が作る漫画 読みやすいし感動を押し付けない感じがよかった。 主人公の髪型をあえてこれにしたのは強い意志を感じる
お高くとまりながらも陰のある花魁が主人公で、彼女を中心に情念渦巻く吉原の人間模様を描く…。そんな内容だと想像していましたが、本作はその先入観とはかなり違う、ずっと小気味の良い作品で、たっぷり堪能させて頂きました。主人公は地獄太夫と呼ばれる橋立花魁。どんな鬼のような花魁かと思うでしょうが、これはその技からついた異名。施虐の芸使い、そう、今でいうSMの女王様なんです(2巻の表紙でろうそく持ってます)。よく言えば客がどうして欲しいかを読み取る才能に長けている、悪く言えば変態専門の橋立花魁は人気も上々。で、この橋立が馴染み客と息の合った攻防?や、成り上がり者と意地の張り合い、はたまたとある武士と真剣勝負を繰り広げる。そのさまは上等な小話や落語を見ているようで、まさに”粋”のひと言。また著者はこの時代の吉原をずいぶん調べたようで、「えっ、これで避妊してたの」なんて薀蓄ネタも拾えます。3巻以降は単行本が存在せず、雑誌からの電子化で少々アラのある造りにはなってますが、野暮なことはいわずに楽しんでもらいたいですね。