もし二人があの時会わなければ、二人は互いに知り合うこともなく、愛に合う事も無かっただろうか。ともかく二人は出会い、そして…。セイラのママンは16年前に死んだ絵描きのパパへの愛を貫いている。セイラはママンに新しい恋をして欲しいと思っていた。そんな時、セイラは町で一人の青年と出会う。彼はオリヴィエ、父に反発して絵の道を志す実業家の息子。「海を駆ける少女」のイメージに合うモデルを探している。「生」を感じさせる、健康的な少年のような少女…。
ワインと名馬の産地として名高いベルモント・ファームのひとり娘スザンナ。彼女は、幼い頃から愛を育んできた貧乏人ニックとの間を、父マーカスの卑劣な計略によりひき裂かれ、最後には父に従ってしまった。必ず戻って復讐してやる! 心に誓ったニックは数年後、大富豪となり農地と屋敷の所有者として彼女の前に現れた。おちぶれた私たちを嘲笑いに来たの? しかし、スザンナは重大な秘密のことを思うと、昔と変わらず魅力的な彼から目を逸らした――。
麻美は会社からの帰宅途中、曲がり角から飛び出してきた男にぶつかり、転倒してしまう。走り去っていったその男は、赤いワークブーツを履いていた…。翌朝、近所で女性が殺害されているのが見つかり、犯人は「ワークブーツを履いた男」だという…。ただ一人の目撃者の麻美は…!?
留衣は恋人の礼二を事故で失い、初めて二人きりで旅行した思い出の地・京都へと一人旅にやってくる。思い出の場所を訪れては礼二を思い出し涙する留衣。そんな彼女の前に一人の青年が現れて……?
高校一年の「えま」は元気が取り柄で純情で、がさつだけど心優しくて、平凡顔だけど絞りたてのミルクのような女の子。学園中の女生徒たちの憧れの男子・テニス部の玲さまに恋をしている。玲さまと顔を合わせる時は、幼なじみの一平と罵りあったりモップ振り回したり、いつもやたらとみっともない場面ばかり。だけども玲さまの友人でプレイボーイの右京は、そんなえまに惚れていた。右京は玲さまに「えまは俺の彼女にするから手を出すなよ!」だなんて言うけれど…?
男子生徒ばかりの名門校に通う大門寺健は、アメリカから女の子の転校生がやってくると聞いて期待に胸を膨らませる。だがやって来たのは冴えない眼鏡の女の子・山田ミキだった。彼女は健の名前を聞いて驚いた様子を見せて…? 健とミキ、2人の関係は…!?
葉介と絵里子は一人息子の勇とペットのドンと幸せな家庭を築いていた。他の家庭と違うのは、作詞家である葉介は家で主夫をしながら働き、絵里子は外へ出て働くキャリアウーマンだということ。はじめは上手くいっていた2人だったが、絵里子が独立して忙しくなり始めてから徐々に亀裂が入っていってしまう…。このままではいけない、そう考えた葉介は別居を提案して……?
若かりし頃の熱すぎる恋。そして訪れた、つらい別れ…。中途半端なまま、いまだ捨てきれぬ想い――。ニューヨークへの栄転を前に、僕は今の恋人に何も告げられずにいた。そのとき――!? 表題作『花の冠』ほか、せつない女心を描く愛の物語4作品も同時収録した短編作品集。
ニューヨーク。ほんの一握りの栄光と、数え切れないほどの夢と挫折が渦巻く街。元ダンサーのレオンもこの街にとりつかれた一人。レオンは夢を諦め、それでもこの街を離れる事が出来ず、煮え切らない想いでジゴロ生活を送っていた。そんなある時、レオンは一人の少女と運命的な出会いを果たす。ニューヨークの喧騒の中で、そこだけ透き通った空気が広がったかのような澄み切った笑顔…。たまらず逃げ出したレオンだったが、彼女はルームメイトの妹で…。
あんずはお転婆盛りの18歳。日本舞踊の先生でもあるママは、あんずを女の子らしくするために踊りを習わせてるんだけど、当の本人は着物なんか脱いで走り回ってる方が性に合ってるみたい。バイトをクビになるのも11回目だ。そんなあんずの遠い親戚・小次郎は「失恋保険会社」で働いている。話を誇張し、まるで「007」のような小次郎のスパイ武勇伝に、あんずはすっかりその気になってしまう。そんな時に、あんずは失恋保険詐欺の現場に出くわしてしまい…?!
アイスクリームを落として泣いてたシュガーちゃん。サイモンはシュガーに自分のアイスクリームを渡し、「もう落とすんじゃないよ」と笑顔で走り去る。優しいサイモンに恋をした。シュガーが6つ、サイモンが8つの時の事。それから12年。今日はシュガーとサイモンの結婚式。なのに科学者になったサイモンは、研究室に篭りっきり。親友のアルフィーが引きずり出して、ようやく式が始まった。だけども式を終え幸せ一杯の二人を待っていたのは、あまりにも残酷な運命だった…。
子供の頃から「真面目な良い子」のイメージを固定されてしまった白石沙紀。長女と言う事もあり、彼女自身も「真面目な良い子」を演じ続け、そのまま私立の名門の大学生になった。周囲は恋愛もテレビの話題も興味の無い子みたいな目で彼女を見るけど、彼女だって恋もすれば好きなタレントだっている。沙紀はシネマ研究会の理知的な神崎部長に秘かな恋心を抱いていた。そんな彼女に、ちょっと軽くて変わり者の龍岐が、何かとちょっかいを出すようになって…?
愛してるわレイニー。あなたのほかは誰も愛さないわ。たとえ遠くはなれていても。大学に進学し、愛するレイニーと離れ離れになってしまう少女チューズデイ。レイニーからステディ・リングを受け取り、4年後の結婚を誓い合った。そして新しい環境で、落ち着いた物腰のハンサムなアーティと出会う。良き話し相手の寮の同居人のエドナは早速アーティに一目惚れ。しかしアーティは、チューズデイに何やら意味ありげな視線を向けていて…。
真面目一筋の親父。「親父が浮気をしてるかも?」だなんて、おふくろより言った僕自身の方がありえない冗談だと思っていたんだ。だけどまさか、これが本当の事になろうとは…。おふくろは「私は流行のイタ飯に連れてってくれなかったのに、浮気相手はイタ飯に連れて行ったからこれは浮気じゃなくて本気だ」とか言って嘆き、さっさと離婚してキャリアウーマン満喫してる。でも親父としては、おふくろはワガママが言える居心地が良い相手だったわけで…。
夏雄は大学にも行かず、ヘアサロンで見習いとして働く毎日。ある日彼の働く店に憧れの先輩であり女優の卵の亜美が現れ、一緒に食事に行くことになる。失恋したばかりの亜美と急接近する夏雄だったが…。
付き合い始めて3年目の里加子と春彦。最近は里加子のスタイリストとしての仕事が軌道に乗り始め、すれ違う日々が続いていた…。そんな時に春彦にプロポーズされ、戸惑う里加子。2人の心の内をそれぞれの視点から描いた大人のラブ・ストーリー。
志保は飛行機のパイロットの夫と幸せな結婚生活を送っていた。仕事の関係上家を空けがちだが、妻想いの優しい夫。なのに、こんなに恵まれた結婚生活を送っているのに、心の内にあの頃の波の音が押し寄せる。熱い眼差しで海ばかり描いていた3歳年上の鷹司。輝く夏の中で二人は恋をした。青く煌めいていた海、潮騒の音…。今でも鮮やかに蘇る…。しかし鷹司は志保を置いて、突然姿を消してしまった。あれから10年…。今もあの頃の波音は打ち寄せ続ける…。
ラブリーは、16歳にもなって兄のエドワードにベッタリ。そんな状況に嫌気がさした兄の恋人・アイリーンはラブリーにBFを作るべきだ、とエドに提案する。そこで彼女のBF候補に選ばれたのは“スリー・グッド・ルッキング”と呼ばれるイケメン三人組の一人・アランだった。はじめはお互いに嫌々だったラブリーとアランは…?
ジュテーム、ジュテーム。恋人たちのささやきが聞こえるような、そんなパリの昼下がり。パリは今日も幸せがいっぱい。だってみんなが恋しているから…。ジジ・クレーユは15歳の女の子。女の子にモテモテの兄と弟に挟まれながら、恋人がいない身として引け目を感じている。そんな彼女を、兄の友人のダニエルは、実の妹を見るような優しい目で見守るのだった。しかし、ジジに気になる男の子が現れたと聞くと、ダニエルはなんだか寂しい気がして…。
ティナはお嬢様暮らしに退屈している世間知らずの女の子。毎日レッスン、レッスン、レッスン、レッスン… 面白い事なんてありゃしない! ロックやソウルのリズムに乗って踊ったら、きっと気分がスカッとするわ! そう言って彼女はビラビラのドレスで屋敷を抜け出し、夜のディスコにやって来た。あからさまに場違いなティナ。踊りも滅茶苦茶、それでも彼女はすっごく楽しそう。そんな彼女にプレイボーイのラッキーは、馬鹿にする気マンマンで近づくんだけど…?
ジェーンは5年前から夫デメトリと別居していたが、今になって突然夫が現れ、正式に離婚を申し入れてきた。ジェーンは自分でも意外なほどショックを受けた。夫は今も変わらず魅力的。私はまだ彼をこんなにも愛しているんだわ。パニックを起こしたジェーンは、慰めようとするデメトリと愛を交わしてしまう。が、それはしょせん一時の過ちとして、結婚生活のけじめをつけようとしたふたりを、運命は思いがけない方向へと導いた。なんとジェーンが妊娠してしまったのだ!
奔放な妹ジュスティーンとその恋人キットが雪崩で行方不明に。エレナはふたりの娘ヴァイオレットをひき取ろうとするが、ヴァイオレットは相続争いに巻き込まれ、キットの親戚に奪われそうになる。そこでエレナは同じ懸念を抱いたキットの兄ギデオンと、独身という不利な条件を解消するため、偽装結婚をすることに。あくまで偽装とは言え狡猾な親戚にばれないよう、必要最低限の親密な接触は避けられなかった。魅力的すぎるギデオンに、エレナは夢中になってしまい…?
有能な看護師レイチェルは、仕事にも生活にも満足しているつもりだった。新任のイタリア人医師ルカが現れるまでは。初対面からアプローチし続けるルカに、レイチェルは困惑した。見るからに女性にモテそうな典型的なイタリア人を、どうあしらっていいのかわからない。でも心を揺さぶられているのは確かだった。いいえ、だめ。耐えがたい悲劇からもう4年も経っているけれど、私の傷はまだ癒えていない。プレイボーイと軽い情事を楽しむ気になどなれるはずがないのだ。
目覚めると、キャシーは一糸まとわぬ姿で見知らぬ男性のベッドに横たわっていた。昨夜はセバスチャンとの婚約パーティーで、とてもステキな夜だった。その翌朝なのに、どうして私は裸で一面識もない男性のベッドにいるのかしら!?マシュー・キーガンと名乗った男性はすでに身繕いを済ませていて軽蔑したように彼女を見下ろし、ふたりが一夜限りの火遊びをしたと告げた。こんなことが知れたら婚約解消されてしまう!キャシーはマシューを問いつめようとするが…?