※ネタバレを含むクチコミです。
舞台は19世紀初頭、鎖国中の日本において唯一、出島での貿易により異国との接触があった長崎の町。 この町には人やモノに紛れ、異国から“人ならざる怪異”が入り込んでいました。 この作品はそんな怪異たちから長崎の町を人知れず守る、丸山遊郭の遊女・菊花太夫と「かむろ(禿)」と呼ばれる遊女見習いの幼女3人、そして奉行所付の隠密同心である相模壮次郎の活躍を描く作品です。 江戸時代の長崎が舞台ということで、美しい和装や刀による戦闘に加えて異国から入り込んだ西洋の怪異や銃などの武器の登場と、和洋それぞれの文化が入り混じった独特の世界観が構築されていて、それを作画コストの高い緻密な絵柄で描いていく作品です さらに 物語が進むにつれて、怪異との戦闘では協力体制にある菊花太夫たちと壮次郎との微妙な関係性や、菊花太夫を純粋に慕っているように見える3人のかむろが抱える因縁など、ストーリーにもどんどん深みが出てきて、読み進めるごとに面白さが見えてくる、そんな作品です。 1巻まで読了
放課後、誰もいない教室でマンガを見せ合う女子高生のアイコとユーカ。 2人は1つのノートにマンガを交互に描き進めていく"交換漫画"を描いていました。 でも、バトルマンガが好きなアイコに対しラブストーリーを差し込みたがるユーカ。 2人の描きたいものはなかなか噛み合いませんが、意見を言い合うのも楽しい、そんな2人だけの大切な時間を過ごしていました。 そんな2人が ふとしたきっかけでスクールカーストの上位にいるような同級生の女子・大沢と関わりをもつようになり、2人の関係に徐々に変化が現れ始めます。 2人はクラスの中でも少し浮いてる と自分たちでも言ってしまうくらいで、良くも悪くもずっと"2人だけの世界"の中にいます。 それが、大沢たちとの関わりが増えて、自分たちの外の世界に触れるようになり、マンガを描くことへのモチベーションや描きたい内容、そしてお互いに対する思いなどが少しずつ変化していきます。 この、「簡単に壊れるわけではないけど同じ場所にずっと留まってもいない」2人の関係性それが、不穏な感じもありつつどこか微笑ましくもある、瑞々しい青春の1ページとして描かれます。 町田さんの繊細な絵柄も雰囲気にすごくマッチしていて、作品の瑞々しさを一層印象深いものにしています。 また、1巻の最後に収録されている話は2人ではなく大沢の視点から描かれています。これにより2人の世界の中と外という物語だったところにこれまでとは違った視点が加わり、2人と大沢との関わりにも新たな意味が付与されることで、より多層的な物語になっています。 1巻まで読了
※ネタバレを含むクチコミです。