※ネタバレを含むクチコミです。
「女子攻兵」に乗り込むパイロットは段々と自我が女子高生のそれに侵食されてくる(俗っぽく言うとSAN値が削られる…みたいな)設定があるので、幻覚やフラッシュバックなど、元々サイケデリックな表現が特徴の作品ではあるのだが、それでも7巻はちょっとすごい。 終盤、作中を貫く狂気の根源に迫る、エヴァンゲリオンで言うところのネルフ最深部みたいなところにいよいよ乗り込む展開がアツいのだが、7巻に入った途端一気にようすが変わる。 セカイ系ということばが浸透して随分経つような気もするが、やっぱり本作みたいに舞台装置そのものを揺らしながら描くような作品ってすごいと思ってしまった。
これは読み切りで済ませてはもったいない。連載化希望。
松本次郎作品はどれも好きだが割とどれもぶっ飛んでいてたまについていけなくなる時があった。 でも本作はそんなことなかった、原作付きだからかもしれないけど。 そして、めっちゃいい最後だった。これはネタバレにならないはず。。 最後までちゃんと読んでよかった。 個人的には謎のままのところがちょっとあるけど、分かる人には分かったのかもしれない。 百姓が侍に憧れ、侍がお上を護り、お上が時代を変えていく。 その変化の煽りをモロに受けるのは一番遠い百姓たちなんだということ。 百姓が憧れた侍は、しっかり侍なやつもいたし、みんな平等に人間なので同様に切れば死ぬということ。 色々なことを考える作品でもありました。あといっぱい血が出るよ! 一番好きなキャラは伊牟田です! 松本次郎先生の女子は可愛いのだが本作はほぼ出てこないからそういう意味では期待しないほうがいいぞ! 追記:謎だったところ、7巻のキャラ紹介に書いてあったので謎じゃなかったです!よく見ようね!
作者のやる気さえあればどれも連載化してほしいくらい面白い短編集だった。読んでる最中は、ひ弱で現代っ子な吸血鬼が主役の「竹山くんの日常」が読みやすくていいなと思ってたけど、読み終わって一番印象に残ってるのは「砂漠の魔女」かも。殺し屋に追われて瀕死の男が不思議な力がある魔女の糞尿を食べて生き延びようとする話で、糞尿を食べるとか普通だったら読みたくないけど松本次郎の絵柄だから読めちゃう。最後に収録されてた「雑兵敗走記」は見開きの合戦のシーンがすごかった。
一日中フリージアを読んでたら脳が疲れた…。でも途中でスーパーに行っても世界観が頭から離れなくて、現実でも敵討ち法が適用されている気がしながら夕飯を買ってました。一度読んだくらいじゃストーリーを把握できないけど、没入感は半端なかったです。主人公の叶ヒロシがすごくいいキャラクターだったから、幽霊殺しの時みたいなカッコいい戦闘シーンがもっと見たかったけど、そこはストーリーの本質ではないということなんでしょうね…。ケイコのこととオチには上手くハメられました。面白かったです!!
新東京都市では女子高生の形をした巨大ロボ、女子攻兵(以下JK)での戦争が繰り広げられている。 パイロットは軍人(おっさん)であることがほとんどだが、長い間このロボに搭乗していると精神まで女子高生になっていってしまい、精神汚染ランクが8になると電波を受信していもしないはずの友人や家族とケータイで連絡を取るようになってしまう(もちろんJK搭乗時にそれと話したりしてるわけなので巨大なケータイを使っているわけでもある) 近未来のようでケータイがガラケー型でJKのスカートの短さなどからも90年代後半のJKのイメージを松本次郎的にマッシュアップした戦争モノだが、巨大ロボ×JKというだけでもよくやったと言って差し支えない本作は、連載当時のバンチでも異彩を放つ作品だった。 精神汚染の原因はイカれてしまった汚染ランクの高いモンスター(元JK)との密な状況や接触であり、多くは物理攻撃によるJK自体への汚染が原因でコックピットにいる軍人(JK乗り)を巻き込んで汚染していくものである。 殺伐とした世界なくせにネオン街ではセーラー服を着たキャバや風俗が繁盛しているという割と救いようのない世界観だが、どこかドロヘドロのようなパンクさとMADMAXのような退廃・荒廃感を感じる。 あ、コッペリオンとも少し空気や設定も似ているとこがある。アイアムアヒーローもそうだ。つまりは世紀末感があるということだが、ここまで書いておいて松本次郎の作品でそれが感じられないのは「いちげき」ぐらいかもしれないw
荒野・コミューン・荒くれ者たちから想像される、酒・暴力・SEX!みたいな世界観。 彼らが必死に本能のまま生きてる姿は、「松本次郎ワールド」感ある。 ちょっとした裏切りやちょっとした勘違いからオオゴトになるっていう喜劇的な展開もいつもどおりで、主人公がアタオカ気味なのもいつもどおりだなぁと安心して読める。 現代よりも荒廃しているけど未来感があるこういう世界ってなんて言うんだろう、MAD MAX感?(超安っぽくなった気がする)がある世界で、人の命がめっちゃ軽い。 イライザやケンジがいい味出てて好き。
バイオレンスとセックスの間を常に行き来しているような非常に刺激的な作品。 現代日本とは異なり、外国との戦争と「敵討ち法」なるもの存在する日本の街々を舞台に、血なまぐさい銃撃戦が繰り広げられます。 少し暗めな社会描写がリアルにありそうでなさそうな感覚で、作品世界にどんどんハマっていく自分がいました。 読めば読むほど、自分自身の性格が変わってしまいそうで怖くなる。 でも、途中でやめられない不思議な中毒性がこの作品にはあるのです。
※ネタバレを含むクチコミです。