超面白い。オールタイムベスト 殺人をめぐる情動や1ページ先で誰かが死んでいるような緊迫感が妙。1枚絵がとにかくかっこよくて濡れ場も絵になっててほんとにすごい。
あとがきに「これが遺作になってもかまわないという気持ちで描きました」とあるように相当な気合が入った短編集になっております!!同じくすぎむらしんいち先生の名作短編集「ALL NUDE」は引き初めの風邪だったらすぐ治せる葛根湯のようだと思いましたが、こちらは老若男女誰が読んでも笑える劇薬です。どの話もそのまま連載になりそうなくらいアイディアが濃厚なのにそれを一話で惜しみなく出せちゃうのがすごい。この濃度で描ける漫画家はそうそういないぞ。みんな読め!!
すぎむらしんいち先生の作品をきちんと読んだのはディアスポリスが最初だったのですが、このタイトルは初めて読んでまあ圧倒されました。 すぎむら先生の初めての連載タイトルと同名ですが、その内容は余りに異なりますし、キャリアを重ねるうちに花開いた作家性とも言える気もします。 ハリウッド映画に例えるのは些か陳腐な気もしますが、この作品に溢れている暴力とエロティクスの魅力を簡潔に述べるなら、それすら賛辞になるのではないかと思います。 残酷描写は多いですし、読み手を選ぶタイトルではあります。ただ、読む人間を惹き付けて止まない圧倒的な「何か」がこの作品にはあると、個人的には感じています。 ダークヒーローに惹かれる方は是非一読を。
北海道に住んでいた信也は高校を卒業してすぐに2個下の恭子と結婚するが、恭子が東京に行くという手紙を残して家出したので探しに行く途中で記憶喪失になってしまう。たどり着いた板橋区の商店街で定食屋の娘・今日子といい感じになり、何もかも忘れたまま東京で生きていこうとしたところで恭子と再会する…。 途中で本筋から離れた展開が大盛り上がりするので「これどうなるんだ…」と内心不安になりつつだったのですが、最後は夢中で読みましたね。 麻雀が激ヨワなせんべい屋のじーちゃんとか、タレント志望のパチプロの24歳とかサブキャラも魅力的だった。「HOTEL CALFORINIA」のモトコも出てきて元気(?)にキャバ嬢やってたのでよかった。
カリフォルニアって名前は付いてるけど北海道のとんでもない山奥にあるホテルが舞台。しかもよく見るとスペルが間違っていて【カ「ル」フォ「リ」ニア】になんです。ホテルから町に通じる唯一の道が土砂崩れで崩壊したことから、そこで研修を受けていた新入社員7人と支配人と掃除のおばちゃんが閉じ込められてしまうのですが、新入社員のみょ〜に色っぽい女の子が実は社長の愛人だったことが発覚します。ただでさえ絶体絶命の状況なのに社長に愛人として斡旋していたヤクザも乱入して現場はもっと混乱します。あとは熊やら大麻畑やら老人の集落やら…まるでジェットコースターのようなスピードで展開するので退屈しません。しかもストーリーの合間にたびたび挟まれる一枚絵がどれもカッコよかったです。
今まですぎむらしんいち作品をちゃんと読んだことなかったので、まずは短編集から!と思って読んでみました。めっっっっったくそ面白いですね!!!!今日はこれを読むまでイマイチな一日だったのですが、おかげさまで超元気になりました。あらすじにも「気持ちよくなるのに、ヤボなドラッグなんていらねぇ!」とありますが本当に効きますね(笑)。悪寒がしたら葛根湯の代わりにこれを読めば風邪をひかないんじゃないかな? どの短編も面白かったけど「小林君」「少女カメラ」「パパが地球人を辞めた日」が特に好きでした。「小林君」は今までクラスで一度もしゃべったことない小林君が転校するからと言って宝の地図をくれる話なんだけど、子供が上手く描けてる漫画は自分も子供になった気持ちで読めるんだなぁって思いました。「少女カメラ」も子供の話だけど、最後に女の子がその日に撮った写真がズラッと出てくる演出がかっこよくてシビれた…!「パパが地球人を辞めた日」はただただ爆笑です。もしかしたらこれが一番好きかもしれない。 「タクシードライバー」は映画をそのまま現代日本風にオマージュ?していて、なんか読んでて目からウロコって感じだった。令和になってから見なくなったけど漫画に出てくる元日本軍のじいちゃんって面白いですよね。そんなじいちゃんから上京する時に護身用にもらうことでピストルを手に入れるってのは、これぞ日本版「タクシードライバー」の正解だと思いました。 巻末に「RANGAI★バラエティbyけらえいこ先生」と書いてあるけど、これは「BUN BUN BUN」の欄外にあるイラストエッセイのことなのだろうか。言われてみるとけらえいこ先生のタッチな気がする…。意外な交友関係だ。
※ネタバレを含むクチコミです。
まず、原作の小説は読んでいません。ただ、松尾さんの作品は何冊か読んだことがあり、その印象で語るなら、恐らく完璧な形でのマンガ化なのではないかと思っています。 すぎむら先生の才能といのもマンガ好きには今更だと思いますが、ただただこんな奇跡的なコラボが実現したことを感謝したいと思いますし、松尾ワールドをマンガとして可視化する上で一つのスタンダードになっているのではないかと思っています(勿論、好き嫌いは別れるとも思いますがそれも含めて素晴らしい作品だと思っています)。
ALL NUDE タイトルそのまま、女性が裸になったり色々。 「もし〜が〜だったら」のような誰でも考えそうなことをここまで広げられるのはすごい。 なんだこれ〜!面白い〜〜! 感想をかくとするならば「エモい」としか言いようがない。 発行1990年代? まったくそう思えないくらい今の漫画に思える。 シュールな話多めだけど癖になる。 漫画好きは読んでおいて自分の内側に引き出しを増やすべし!
わたくしは、世の皆様に比べれば、まったくゾンビに詳しく無いのです。ロメロがどうした、「28日後…」がどうした、そんな話をされても困ってしまうのです。とはいえ、「もし、世界がゾンビで溢れたら…」という非常事態に対するイメージトレーニングは欠かしません。直下型地震を想定するように、ゾンビ被害を想定する…それが30代オタクなのです。 『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ ―童貞SOS―』は、ある日突然ゾンビが世界に溢れ、日常が崩壊していくゾンビパニック漫画。ただ、ゾンビの性質がほかの作品と違います。この作品に登場する女性のゾンビ(女ンビ)は、知能があり会話もできるのですが、ひたすら生きた男性の肉を求めさまよいます。女ンビに襲われ殺された男性は、女ンビのみを標的とする知能のないゾンビとして蘇るのです(生きている女性や男性は襲わない)。 物語の主人公となるのは、ひたすら女と縁がない生活を送っていたニート&フリーターと女子高生。彼らはあまりにも女性と縁がなかったため、襲われずにすんだのです!リア充どもは真っ先に襲われてゾンビ化ですよ! 日常は完全に崩壊し、逃げ惑う彼らが逃げ込んだのは、あの中野ブロードウェイ。薄暗くてマニアックな店が並ぶ、日本屈指の混沌としたビルが舞台とは…。ゾンビといえばショッピングセンターが定番ですが、この展開に興奮しないオタクがいるだろうか。いや、いない。 今や廃墟となってしまったオタクの城で、痴女のようになってしまった女ンビに股間を狙われながら、彼らは生き残る道を探していいきます。 エロもグロも盛りだくさん、でもそれらを覆い尽くすギャグとスピーディーな展開が非常に興奮するゾンビ漫画なのです。
超面白い。オールタイムベスト 殺人をめぐる情動や1ページ先で誰かが死んでいるような緊迫感が妙。1枚絵がとにかくかっこよくて濡れ場も絵になっててほんとにすごい。