モラトリアムを楽しむために友人とビーチへバカンスに来ていたセオドアは、ふと目覚めると知らない部屋にいた。同じように隣で寝ていた見知らぬ青年・ルカによると“セオドアは誘拐され、自分はそれを目撃したために連れてこられた”と言う。犯人が来る前に脱出を試みる二人だったが、外に出ると見渡す限りの荒野と果てまで続く地平線、更に追い討ちをかけるような突然の雨で逃げ道は無し…最悪の状況に絶望するセオドアを励ますルカ。軟禁状態となった二人は寂れた廃モーテルの一室で、忘れられない夏を過ごすことになる――。
ドライフラワーの店を営む、明瀬 潤(みょうせ じゅん)。定期的に登っている山に、いつも通り花を持って向かうと謎の乗り物とたくさんの金属片に囲まれ怪我をしている人を発見する。急いで助けようと車に運んだが、すでに傷は治っていて…。明らかに人間ではない、記憶をなくしたゼレムと名乗る宇宙人。過去のトラウマから、人とは一定の距離を保ってきた潤だったがゼレムを放っておくこともできず…「記憶が戻るまでここに居ろ。帰れなくなったら困るだろ?」トラウマを持った無口なドライフラワー屋の店主と記憶をなくした宇宙人の奇妙で優しい同居生活がはじまる。
【ブロマンスからライトBLまで、「朝食」にまつわる短編集】バディを亡くした翌朝。不倫相手との秘密。毎朝やってくる、たぬき。様々なシチュエーション、関係性で調理された8作品。のぶたろ「鳴きのひとこえ」梨田「コーヒーを持つ手も」芝よしはる「あたたかい飯気のむこう側」すずくこま「朝、君と縁側で。」ニャオスキー「COFFEE AND DONUTS」あつあげ「幸福の味」楊枝「食う寝るところに住むところ」コメダ ヨシヒサ「go-to」カバーイラスト:チョコサブレ