普段から失敗ばかりで仕事を転々としている苅葉 すみ(かりば すみ)。今回もとある会社をクビになってしまった帰り道、電車の中で見かけた広告に書かれていたのは「失敗そのものを仕事にする」職業の求人募集で──。自身が将来犯罪する確率を診断できるようになったとある世界を描いた7pの短編『犯罪する率80%』も収録。全30ページ
上手くいかないことも多い人生…それでも日々は回っていく──。日常、SF、ガールズラブ。様々な世知辛さを描いた2-4pのショート漫画を5作品収録の短編集。
「その人が望んだら、本当に死んじゃうんだって」──。とある学校でひそかに囁かれる、願った相手が実際に亡くなってしまうという怪現象に関するウワサ。話半分に聞いていたのも束の間、自身が安易に願った相手が本当に亡くなってしまう。最初は偶然だと思いつつも、次第にそうではないことがわかってきて…。
職場で密かに想いを寄せる、隣の席の「須藤むにか」さん。コミュニティごとに仮名を使い分ける事が当たり前になった世の中だが、ビジネスネームのままではどうしても距離感を感じてしまう。そんなある日、偶然に彼女の本名を知ってしまうが──。
とある漫画描きが、3ヶ月かけて執筆した原稿。自信を持ってSNSに投稿したものの、すでに同内容の漫画がAIにて作られていたことを知る。実はここ最近で生成AIによる作品が爆発的に増え、人の考え着くような漫画はすでに生成されきってしまっていたのだった──。
高校生の椎菜(しいな)は、たったひとりの友人である理依(りえ)が昨夜亡くなったとの知らせを受ける。唯一無二である理依を失いたくないと必死に足掻いた椎菜は、奇跡的に蘇生薬の開発に成功してしまう。葬儀場で生き返った理依は、椎菜に対してある思いを伝える…。
交通事故で一週間に亡くなった幼なじみの仁美が、3Dプリンターでそっくりそのまま蘇った。原子レベルで蘇生され、姿形も記憶もそのままの“ひとみ”だが、主人公のりんからしたらどうしても前の仁美と同一人物に思えない。生前と変わらず接してくるひとみに対して、りんはどうしてもそっけない態度を取ってしまって───。
板尾 萌花(いたお もか)は、同じ図書委員の広石(ひろいし)くんに片想い中の女の子。この恋が実るかどうか自身の恋の行方に思いを馳せていた矢先、「未来を知っている天使」だと名乗る人物に出会う。半信半疑のまま、実際に未来を見せてもらうことになるが…。
壷倉 千緒(つぼくら ちお)は、ひと月前に親の会社が倒産したことで没落貴族となってしまった元お嬢様。肥えに肥えた感覚が庶民の生活水準を受け付けず、精神を病むまでに至っていたが、医師から処方された「幸せの感度を上げる薬」を飲み始めてから彼女の生活は一変する。
短編1:土屋さんはかえれない 土屋 留(つちや とまり)は中学生の女の子。日常的にいじめを受けており、ついには自ら命を絶ってしまう。幽霊となった彼女は、生前想いを寄せていた男の子を見かけるが…。短編2:アンテロースの片想い アイネは、運命の男女を結ばせる恋の天使。そんな役目にも飽きてきたある日、他の誰かと結ばせるべき男の子に一目惚れしてしまって──。
とある少女のメガネは不思議なメガネ。レンズ越しに見た人達の頭上に現れるのは、その人達が生涯得られる幸福度の数値。しかし、底なしに明るいはずの友人の数値はマイナスを示していて…。
大学生の葦根 由咲(あしね ゆさ)は人生に虚無感を感じ、希死念慮を抱く女の子。ある日、そんな彼女の目に飛び込んだのは、コンビニで手軽に売られた安楽死キット。世の中はいつの間にか、死にたい人が簡単に死ねる世界となっていた。思わず安楽死キットを購入し、自宅に持ち帰った彼女の選択は──。
國部 琴葉(くにべ ことは)は、人との会話が苦手なことが悩みの中学生。同級生の男の子とSNSでやり取りする上で返答に迷う中、チャットボットによる会話サポート機能があることを知る。気づけば、メッセージの作成や会話の流れなど、やり取りのほとんどをチャットボットに頼るようになってしまっていて…。