とある高校の卒業式。周りとうまく馴染めず卒業式にも参加させてもらえない高校生、春日、八木、小島、石橋の4人。ある日彼らは4万2千円のオンボロの中古車を手に入れる。「これで行けなかった修学旅行に行く。」彼らの辿り着く先は…すべてのはみ出し者たちに捧ぐストレート青春活劇開幕!!
高校2年生、コワモテ体育教師を好きになりました。元々は地味で目立たない真面目な女子高生が頑張って金髪にした結果、やっと先生に気付いてもらえるようになった。けど、先生は小杉の気持ちまではぜんぜん気付いていてくれなくて…。ピュアで不器用なふたりの、もどかしい恋模様。
僕は高1。名前は阿比留。僕は、僕自身の人生の主役ですらない。主役なんて本当は何処にもいないのではないか…そんな僕に友達ができた。春日という男だ。春日は、世界は春日を中心に回っていると信じ込んでいる奴だ。僕は、そんな春日と一緒に、映画を作りたいと思った。僕の作る映画の主役になってもらいたいと思った。
※ネタバレを含むクチコミです。
『アビル少年映画を作る』や『先生、黒髪になっても気付いてくれる?』の長谷川和志さんの新作です。 卒業式にも出られず修学旅行にも行けなかったアホな男子4人組。 卒業後、進路すら定まらず実家で煙たがられているアフロの春日。 教職に進むシュッとしたイケメンの八木。 実家の造園屋で働くふくよかな坊主頭の小島。 無口で何を考えているのか全くわからない巨漢の石橋。 そんな4人が、八木が42000円で買った車で4人だけの修学旅行に行こうとするところから物語は始まります。道中はハプニングだらけの珍道中となり、端々で笑わせられながらも青春の輝きに目を細めます。 学校生活の回想も含めて、4人の個性が読み進めるごとに段々と明らかになっていく構成の本作。彼らが何に笑い、何に怒るのか。何を想って、それぞれの進路を目指すのか。元々はどんな切っ掛けで仲良くなったのか。1冊を読み終わる頃には4人のことが大好きになっていることでしょう。 彼らが進む意外な方向性には驚かされ、4人の中で1人だけ違う状況に置かれた人物の想いに「わかる、わかる……!」と大きな共感を呼び起こされました。 少しくらい枠からはみ出していても、かけがえのない友人がいることは何よりも素晴らしい。そう思わせてくれる作品です。 シンプルに大好きで、今後も彼らの行く先を応援したいです。
※ネタバレを含むクチコミです。