ーーそれは5年に一度、新年祭から7日のうちのこと 天使様は必ず天翔る馬に乗って降りて来られる…… 使命に瞳を輝かせ、下界を見下ろすドリーと、タクヤ、ルオシー、ギテ。『天使』を自称する彼らだが、その乗り物は近未来的な空輸送機。危険な地上で彼らを護るのは『鬼』と呼ばれる不気味な生き物。しかし命令がなければ動けないという姿は、まるでロボットのようである。いったい『天使』とは?『鬼』とは? なぜ地上へ降りてくるのか……!? 少し不思議で壮大な物語《ジュブナイル》が、いま幕を開けようとしている!
夜ごと明晰夢を見る「私」がいざなわれた、摩訶不思議な“向こう側”の世界―― 「夢幻のあすも」シリーズとしてコミティアで1作ずつ頒布していた同人誌に、描き下ろし1篇+表紙小品を合わせ、ついに電子書籍化! 荒唐無稽と深層心理を軽やかに混ぜ合わせ、確かな画力で描き出す短編集。幻想的でありながらどこか哲学的。夏目漱石『夢十夜』を彷彿とさせる7篇の“夢物語”たち。『奥様の話』 ヴィクトリア時代。夫が執事を殺害する現場を見てしまった奥様は、主治医の元へ駆け込むが、そこで衝撃的な事実を知らされる―― 『硝子瓶の話』 亡くなった造形作家の回顧展へ行くと、そこには彼の幼いお嬢さんがいて―― 『秘密の鍵の話』 発砲事件の現場で見つけた鍵の正体を探す新米刑事は、“あの人”に話を聞きにいく―― 『氷の階段の話』 氷でできた高い塔の螺旋階段を、どこまでも延々と上り続ける私。その先で目にしたものとは―― 『隠し事の話』 殺人事件を捜査する私。犯人逮捕の先にあった、第一容疑者たちの隠し事とは―― 『虹色の蛙の話』 高原でバスを待つ私は美しい蛙に出会った。そこで私がとった行動と、その結果―― 『藤の鹿の話』 表紙イラストと短文
【おっさんが文句言いながらゾンビ倒す説教くさい漫画】2015年のコミティアから足掛け7年で完結した同人誌を加筆修正して電子書籍化。死者がよみがえり、混乱する世界。生きる術を探す少年ウィルと、その父の従弟トニー、元軍人で説教くさい男ソロの終末ロードムービー。ゾンビモノと見せかけてコマを埋め尽くすほどの長台詞やストップモーション的なアクションが味の海外ドラマ風短編集。「さあ、誰から死ぬ?」 突如起きた終末に、少年ウィルと従叔父のトニーは、元軍人で説教くさい男ソロと行動を共にしている。トニーは自分の従兄でもあるウィルの父親の元へ彼を無事に届けたいあまりに、つい過剰にウィルを守ろうとしてしまうところがある。しかしウィルは、すっかり変わってしまったこの世界で新しい生き方を模索していた。そしてそんなウィルにとって、時に非情とも受け取れる合理的な態度のソロは、またとない“師匠”だった。極限状態に滲み出る人間性。ソロは独特の考え方で突き進んでいく。その言葉は、あるいは“今の世界”にも通じることなのかもしれない――