「私にとって君は特別です」時は大正――。天真爛漫、しとやかさとは無縁の女学生・八重。十六歳年上の軍人で許嫁の毅に想いを寄せているが、当の本人からは妹扱いされてばかり。女として見てもらえず不満に思う八重だったが、毅には“女性”に関する忌まわしい過去があった。そんな祝言控えたある日、二人を引き裂く事件が起こり、毅の感情が動き始める。「君が逃げたらあらゆる手段を使って捕まえます」時を経て美しく成長した八重を前に、普段は優しい彼の、強引で嫉妬深い一面が顔を出す――。運命の紅い糸が繋ぐ、純愛大正浪漫。
どうせ選ばれないなら、友達としてでいいからずっと一緒にいたい――…。幼馴染のハルに長年片想いをしている巴。ハルには普通に結婚して幸せになってほしいと思っている巴は、自分の気持ちは押し殺したまま、ずっと友達でいようと心に決めていた。そんなある日、実はハルに好きな相手がいると知る。その事実が思いのほかショックだった巴は、このまま一緒にはいられないかもと思い――…?近すぎる存在だからこそ、本当のことが言えなくて…。不器用すぎる二人の、すれ違う切ない恋物語。