恨む相手を藁人形に託して五寸釘を打ち付ける「丑の刻参り」。その発祥の地「鉄輪の井戸」は、京都の路地奥に実在する。その路地付近に「サロン・ド・テ・鉄輪」があり、さまざまな悪縁を切る鉄輪の井戸の水のご利益を求める客で賑わっている。美しい女主人・キリがだすお薄と季節のお菓子。彼女が語る「鉄輪の女」の伝説は、段々に凄みをまして「人は、どんなもんにかてなりますえ」。漫画で描くモダンホラー、絵ものがたり版「京都宵」の一篇。