結婚5年目、子供なしの斎藤紗和子は、夫・駿のEDに悩んでいた。姑からは孫の顔が見たいと急かされるが、夫にはEDを理由に拒否され続ける毎日にほとほと疲れ果てていた。そんなある日、社内一のイケメン・長谷川に不倫を持ちかけられる。戸惑いつつも悪い気はしなかった紗和子だったが、その夜、結婚記念日を覚えていた夫がケーキを買ってきてくれるというサプライズが。長谷川に揺れた己を恥じ、夫婦仲を改善しようと決心する紗和子。しかし、その決心も束の間、PCに保存してあった夫婦の思い出の写真たちを漁っていると見覚えのないフォルダを発見する。そこには、彼女の知らない夫の姿があって――!?
―妖怪の存在を信じて疑わない主人公、安部春明は、『人の心にとり憑いて悪さをする妖怪』を退治する”妖怪退治専門家”として、助手の真砂椿と『妖怪退治』の依頼が来ないかと待っている。事実、この世界に妖怪なんて存在しないが、『妖怪にとり憑かれたような人間』は存在しているのではないか―ある日、二人がアルバイトとして働く居酒屋「百鬼夜行」の前に、妖怪にとり憑かれたような人間「憑き人」によってパワハラ被害を受け疲れ果てた一人目の依頼者が現れる。壊れかけた心に春明と椿の優しい言葉が染み、自分の話をすることに。そうしていると、妖怪退治の話になり不審に思いながらも依頼をすると――?