文月夏子は夏が好き。本も好き。フリーランスの校正者として働くかたわら小さな個人書店でも働くWワークな現代人。東京の1Kアパートで夜更かししたり昼寝をしたりお月見をしたり… そんな気ままな一人暮らしをする夏子さんの日々は平穏そのものなのである。しかし大きな事件はなくても小さな事件はけっこう起きるもの。日記にも残らないような今日が画面の向こうじゃなくて、隣で触れる生活が案外充実しているのかもしれません。そんな夏子さんの暮らしを読めばマイペースに生きる手のひらサイズの日常の中で関わるすべてを愛おしく感じなんでもない明日が楽しみになる1冊です。
森茉莉の書く“シュウクリイム”、内田百けんの書く“おかうこ”、村上春樹の書く“オムレツ”森見登美彦の書く“お酒” etc……古今東西の名作に登場する美味しそうな食べものを、食いしん坊の作者独自の目線で語るコミックエッセイ。遠い存在だった文豪や、物語の登場人物たちが、いつの間にか身近に感じられる名作レビューエッセイです。