行間を読むのはもちろんだがなんなら見えてない前提まで読まないと全部を理解できない「もどかしさ」みたいなものを短編で植え付けてくるすごい作品。 基本的にはその他タイトルでも同様なのだけど、これはちょっとドキッとさせられる大人なテイストというか女子テイストというかがあって、そこともどかしさのコントラストが面白かったり良かったりする。
田舎町の学校でちょっと変わったクラスメイトと送る奇妙な日常漫画、だと思っていたけどもしかしたら違うのかもしれない。 サスペンス、恋愛、友情、触れ合えない悲しみ、家族や恋人という存在の曖昧さ、などなど。 シュールだけどほのぼのした日常にふふんと微笑みながら読んでいたのに、少しずつ不穏さを覗かせているような。 ヘルメットを被った怪力少女、教室に様々なものを所有する謎の金持ち、つねる人、執着する人。奇妙なクラスメイトに囲まれ、思考を巡らしながら溶け込んでいく転入生。 おかしくても続いていけば日常になるから、やっぱりこの作品は日常漫画なのかもしれない。
なので本棚に縦に差せない。個人的にもだけど、多分本屋さんも困っていると思う。なんでこの判型にしたのか謎。字が小さいから? どのくらいでかいのかは、ぜひ自分の目で確認してほしい。 初コミックスでこれなので、話題性という意味では成功したかもしれないし、内容的にも買って損したという人はそんなにいないと思っています。 ペンネームも謎すぎる。 阿部共実とか好きだったら面白く読めると思います。 置く場所に困ってもいいなら紙で読むべき。
この世に存在しない日本語を応酬する高校生という、まさに平方イコルスン先生ワールドが全面に展開された1冊。 平方先生の作品って作風は共通なんだけど単行本ごとに明確に色があって、今作は間違いなく「楽園 Le Paradis」色の作品。平方イコルスン先生の作品は「スペシャル」も読んでるけど、今作のように恋愛がテーマになっていると登場人物たちの普通じゃない言動に何故かリアリティを感じられ、より面白みが増すように思う。まだまだ楽園で描き続けてほしい。
行間を読むのはもちろんだがなんなら見えてない前提まで読まないと全部を理解できない「もどかしさ」みたいなものを短編で植え付けてくるすごい作品。 基本的にはその他タイトルでも同様なのだけど、これはちょっとドキッとさせられる大人なテイストというか女子テイストというかがあって、そこともどかしさのコントラストが面白かったり良かったりする。