「触れたらどんな顔するか、10年考えてた」老舗旅館の跡取りである幸星は、旅館運営に日々勤しんでいた。そんなある日、支配人でもある父親の鶴の一声によって幸星に見合いの話が。すると幼馴染の帷から「もう遠慮はやめる」と、今まで見たことのない顔で迫られて…!? それ以来、慣れ親しんだはずの帷の声も温度も距離感も、幸星は強く意識するようになってしまい――…
職場と家の往復で、やりがいのない日々を過ごす高校教師の涼太は、酔った弾みでバーで働くヒロトをお持ち帰りしてしまう。そのことをきっかけにヒロトとの同棲が始まった。すると、寝て起きるだけだった部屋が涼太にとって安心できる場所になり、いつしかヒロトにも一緒にいるこの時間を楽しいと思ってもらいたい、と感じるように。しかし、涼太はヒロトに対し、それだけじゃない初めての感情も芽生えていて――…。社会に馴染めない二人のダメなところも愛おしい日々。