その男の通り名は『faceless-man』――。眼鏡屋店員の瑞穂は、眼鏡が似合うイイ男が好きなメガネフェチ。ある日接客をしたのは、整いすぎて無個性な顔の男。馴染みのゲイバーで、違う眼鏡と違う服装の彼に再会。声をかけると「よく――俺が分かったな」と言う。彼は高槻亮介、『眼鏡を替えると別人になる』探偵だ。亮介に興味を持った瑞穂は、無理やり首を突っ込んだ浮気調査中に、色仕掛けをしてみるが、逆に亮介のテクニックに溺れてしまう。一方、事件は思わぬ方向に進み…?
ああ、まただ――子猫がついてくる。画家の九条皐月(くじょうさつき)は、このところ猫のように自分をつけてくる少年を愉しみにしている。日に日に間合いをつめてくる彼は、ある日ついに皐月のテリトリーの庭に入った。彼・スズナはそれからは毎日のように庭に来て、楽しそうに皐月のそばで過ごしている。スズナの好奇心に惹かれるように“アレ”をし、蜜月のような逢瀬が続く。しかし、スズナは探していたのだ――この庭に埋まっているはずの秘密を……。スズナが暴こうとしていたのは、皐月の代表作≪四季≫にまつわる謎だった――。
「むぅー、何で俺にばっか絡むんだよ!?」倫理教師の坂本銀爾はいつも俺をいじめて愉しんでる。俺はフツーの(ちょっとチビでマヌケかもしれないけど!)善良な高校生なのに! しかもアイツ、「お前の困った顔好きなんだ。泣かせてみたくなる」と、えっちなことを仕掛けてきた! これって何のイジメ? でもその気持ちよさにカンジちゃって。しかも、もっと……ってねだったりなんかしちゃって……!! 俺、どうしちゃったの。