長く海外と断交していた秋津国は軍事同盟のため大国アルビオン国の王族ジェレミーと秋津太守の娘・雪代の婚姻を決めた。艶やかな雪代にひと目で惹かれるジェレミーだが、これは両国の関係を深めるための政略結婚で、スパイの疑いもある雪代に素直に接することができない。一方、雪代は男を篭絡し意のままに操るという「傾城」の能力を期待されていたが、落ちこぼれだと自覚していた。健気に尽す雪代に、ジェレミーの態度は頑なで、その役目を果たすことが出来ずに悩んでいた。秋津国から同伴していた特使・鶴木は幼いころから「傾城」雪代の教育係兼監視役で、その厳しいプレッシャーにも追い詰められていく雪代は――。
「頼む! 私用のドレスを作ってくれ!!」美形の上司・菅沼涼介に“女装癖”があることをカミングアウトされ、あげくにドレス製作を依頼された田宮麻里子。若干ドン引きしたものの、麻里子のパタンナー経歴を知って四年も逡巡していたという菅沼についほだされて受諾してしまう。制作するからには妥協しない女と、せっかく作ってもらうからには夢を叶えようとする男。細密な採寸、デザイン画、パターン、縫製とこだわり抜いてメイド服を追及するふたり。完成したメイド服に袖を通した“菅沼”にメイクアップしながら、麻里子のなかの“何か”にスイッチが入る。「……ねぇ、もっとちゃんとオネダリしてくださいよ」「……抱いて、ください、ご主人さま」クール系人生無頓着OL × シャープなイケメン上司の、男女逆転ラブエロマンス。「小説家になろう」の女性向けサイト「ムーンライトノベルズ」で実施した第2回次世代“官能”小説大賞女性部門、《銀賞》受賞作!※「ムーンライトノベルズ」は株式会社ナイトランタンの登録商標です。
持ちあがる縁談がことごとくうまくいかず、いつしか魔性の女を意味する「黒薔薇姫」と称されるようになったブリギット。すっかり引き籠もりになったブリギットは、公爵家の嫡男で六歳年下の幼なじみヴィルに女性の接し方を指南することに。ヴィルとは幼い頃「姉と弟」と親しみ合った仲だが、会うのは久しぶり。すっかり成長したヴィル。それなのに中身は幼い頃のまま。相変わらず甘えてきた挙句にお昼寝と称して一緒に寝ると言い出す始末。そして気がついたら着衣が乱れ、柔肌にヴィルの柔らかな唇の感触が。寝ぼけて? そう思って黙認していたら、ヴィルの寝ぼけ行動はエスカレートして……これ以上はダメ! 躰が反応しちゃう!