「やっとお前に――すべてを晒したんだ」大好きな乙女ゲームの世界に転生したミーシャは、幼い頃に前世の記憶を喋ってしまったせいで、王宮の奥に軟禁されたまま暮らしていた。そんなミーシャの元に縁談が届く。相手は非道で有名な冷酷王ザウル。ゲームの登場人物の中でも、ルート次第では凄惨なバッドエンドが待ち受けているダークヒーローだった。だがいよいよ初夜という時、ザウルはやけに優しくミーシャを気遣ってくれて…
「もっと強く抱きしめてもいいんだな? 思うがままに、君に触れたいんだ」王家主催の晩餐会で、エレインは幼い頃からの婚約者に婚約解消を告げられてしまう。それも、婚約者を奪ったのはエレインの幼馴染みの子爵令嬢。呆然とするエレインは嘲笑の的になるが、そこに国王の甥である公爵ルーファスが「ならば自分が結婚を請いたい」と名乗り出る。瞬く間に始まった新婚生活だが、ルーファスはいつもエレインに素っ気なくて……。
「僕はもっと見たい……白くて、とても甘そうだ」憧れのパティスリー『パティスリー・オーギュスト』に就職した柚月は、年上のオーナーショコラティエ、リアムの元で忙しく働く毎日。だがある日恋人から「仕事を辞めて家庭に入ってほしい」と告げられ、夢を諦められず破局してしまう。傷心の柚月を見かねたリアムは彼女を食事に誘い話を聞いてくれるのだが、翌朝柚月が目覚めたのはリアムの自宅のマンションで……
小国の公女レーアは、ある雪深い夜にヴォルフという一人の青年を助ける。たった一夜、出会った彼のことが忘れられずに一年を過ごしたレーアだったが、彼女は宗主国であるシュトルマイツ帝国の第二皇子との結婚が決められてしまった。吹雪の夜に出会った青年を忘れられないまま帝国の地を踏んだレーアだったが、彼女を見初めた第二皇子は、一年前に出会ったヴォルフその人だった。宗主国と属国という立場の差に悩むレーアだったが、ヴォルフはそれを気にすることなく甘く激しく彼女を愛する。強引ではあるが責任感に溢れ、まっすぐに自分への愛を叫ぶヴォルフにレーアも次第に惹かれていくが、二人の前にはレーアの母国に巣食ったある問題が立ちはだかる――。
「俺があなたに与えられたものはなにもない。……だから、奪取こそが俺の愛なんだ」 ディラグリオ王国の王女であるヴィルヘルミナは、自分を厭う父や兄から修道院へ向かうようにと告げられる。初恋の相手である召使いのマティアスとの別れを惜しみながらも運命を受け入れようとするヴィルヘルミナだったが、ある日国王は倒され国は崩壊してしまう。 父を失い悲しみに暮れるヴィルヘルミナだったが、そんな彼女の前に現れたのは敵国の将軍となったマティアスだった。マティアスの「戦利品」として淫らに愛される日々が続く中、ヴィルヘルミナは彼の隠された強い愛情を知っていく。 同じ時間を共有することで互いの想いを知った二人だったが、ある日二人の前に行方不明だった兄・エデルバートが現れて――
「すまないブランシュ。……との約束よりも私は――君を愛してしまった」■アルテリカ王国の北方、マルセイドの町で内乱が起きた。それを食い止めたのは、若き公爵セドリック。伯爵令嬢の元でメイドとして働いているブランシュは、主人と共にパーティーに。しかし会場に着くや否や、ブランシュはいきなり公爵セドリックに連れられ、わけも分からぬままに彼の婚約者であると宣言されてしまう。優しく微笑み、愛を囁くセドリックとの大きな身分差に苦悩しながらも、ブランシュは幾度となくセドリックから愛され、情熱的に求められる。ブランシュは彼が背負う深い孤独と向き合い、彼を愛していく事を決意するが……。やがて、セドリックが追う内乱の首謀者に攫われてしまったブランシュ! ふたりを待ち受ける運命と秘められた真実とは――。溺愛×執着ラブロマンス!
強引イケメン天才デザイナー × 初心でけなげな乙女。「もっとその表情を見せて? 固い蕾が花咲く瞬間を見たいんだ」ジュエリーブランド『ユウェル・ツキミヤ』で事務員として働いている西嶋穂香は、残業中のある日、デザイン部の部長であり天才デザイナーと称される月宮瑞貴にいきなりキスをされてしまった!パニックに陥った穂香を瑞貴は「君こそが俺が探していた女性だ」と口説き、新しいアクセサリーシリーズのイメージモデルになってほしいと告げる。穂香の返答もろくに聞かずに「そのままではあまりに色気がない」と、瑞貴は穂香の体を愛撫して甘い快楽へと誘って……。
「怖がらないで――なにも恐れることなんてないんだ。全部俺に任せて、たくさん感じて」 ■男爵家令嬢ロザンナは、二十歳になっても嫁げず、幼い兄妹の面倒を見て日々を過ごしていた。父である男爵が急死し、義理の母が父の残した財産を浪費に費やしていたからだった。傾いた家を建て直すため、美しい髪を切り落とし、伯爵家の門をたたく……。身分や性別を偽り、メイジェベト伯爵家で執事として勤めることになるロザンナ。屋敷の主人であるクラウスは、男爵家が傾く前に従者として勤めていた青年だった。屋敷で雇ってもらうことが決まり、執事として懸命に仕える。そんな彼女の屋敷での仕事はふたつあった。昼は執事として主人に誠心誠意仕え、夜は令嬢として、見目麗しい伯爵が満足するまで閨をともにすること。男爵家の借財を肩代わりする対価として、ロザンナは純潔を捧げるのだった。熱を帯びた瞳で焦がれるように求めてくるクラウスに身も心もとろかされていく。毎夜のように繰り返される情事、めくるめく悦楽の最中で甘い睦言を囁かれ、身のうちが震えるほど、深い情愛に溺れる。だが、ロザンナには、クラウスの情熱的な求愛に答えられない事情があった。秘められた過去は、ふたりの想いに大きな影を落とす……。(ヴァニラ文庫うふ)※本作品にはイラストが収録されていません。