幼い妹弟のため、亡き両親や兄のため、自分のことは二の次で身を粉にして働いてきた百姓の玄。けれど領主の悪政のため、苦しい毎日を送っていた。そんなある日、玄は雑兵に切りつけられ深い傷を負ったところを金色の燃えるような瞳を持つ人狼・空耶に助けられる。そして連れていかれた先にいたのは、悪政をはたらく領主の息子で、なんと彼と玄は瓜二つであった。そこで玄は、打倒領主のために身の危険のある影武者を持ち掛けられ……異形の人狼×影武者のドラマチック時代ファンタジー!書き下ろし短編「しっぽの行方」収録。(この作品は、小説花丸Vol.67~70掲載「狼憑きの身代わり若様 第一話~第4話」を加筆修正して収録しております)
おんぼろアパートに引っ越してきたプロボクサーの片瀬一は、天井裏に不審な気配を感じる。覗いてみると、そこにはボロボロの着物をまとった埃まみれの男が住み着いていた。彼は貧乏神と名乗ったが、ボクシングのことにしか興味がない片瀬は、そんなことは気にもとめず、貧乏神をビンと名づけ、寝床と食事を提供し同居生活をスタートさせるが!? 第66回花丸新人賞選外佳作受賞作。
斎賀家に身を寄せている、天涯孤独で大学生の久朗。斎賀家の次男で、現斎賀建設の社長かつ幼馴染みでもある惟武に可愛がられて育つが、一方で惟武の叔母・悦子や家の使用人たちからは、酷い扱いを受けていた。本当は斎賀家を出た方がよいことは分かっている。けれど、どんな仕打ちを受けても、大好きな惟武の側にいつまでもいたい久朗は、早く自立して斎賀家の役に立ちたいと、斎賀系列の工場に就職を決めた。そんなある日、それを知った惟武が、突然自分の秘書になれと言ってきて!? ワガママ俺様社長×一途な新米秘書の幼馴染みこじらせラブ! 書き下ろし短編「無限の未来図」収録。(この作品は、小説花丸Vol.7、8掲載「そっと、ずっと。前編、後編」を加筆修正して収録しております)
斎賀建築の社長戦略秘書として日々辣腕をふるっている上条は、仕事に対してシビアな切れ者だったが、この日だけは浮足立っていた。画家で恋人の穂積が帰国するからだ。山積みの仕事を無理やり片付け、雪の降り始めた街中を急ぎ自宅へ帰ると、そこには一年ぶりに見る愛しい恋人の姿があった。寂しかった、会えてうれしいと口が裂けても言えない素直じゃない上条を、穂積は理解し優しく包みこんでくれるが、上条の心にはいつも穂積に対する不安があって……。「そっと、ずっと。」のスピンオフ、ナイーブ無口な訳あり芸術家×素直になれない有能秘書の大人の恋が完全版で登場! 書き下ろし短編「そして、銀河の旅は続く」、「有意義な過ごし方」2本収録。(この作品は、小説花丸Vol.15、16掲載「ずっと、ずっと。前編、後編」を加筆修正して収録しております)
【イラスト付き】透俐が亡くなった母から託された絵本を開くと閃光が走り、見たこともないゴシック調の世界へと召喚されてしまった。そこは獣人が住む世界で、自分を助けてくれたクライドは狼の獣人。透俐は神獣か魔導師として召喚されたというが、そんな力はまったくなくて申し訳なく思う透俐にクライドは暖かく接してくれた。元いた世界では貧しくつらい毎日を過ごしていた透俐はクライドの優しさに涙してしまう。やがて帰らないといけない透俐だけれど、透俐ファーストで紳士すぎるクライドに憧れ以上の気持ちを抱くようになり――。電子限定書き下ろしSSを収録!!
若き刀鍛冶師の宗司は、たゆまぬ努力と並はずれた才能から、二十三歳にして、人間国宝である祖父をも超える天才ともてはやされている。しかしその一方で、刀にのめり込むあまり、周囲から「薄気味悪い」と陰口を叩かれ、敬遠され孤独を抱えていた。そんな宗司の心を唯一癒してくれるのは、瀕死の状態で助け大事に育ててきた、顔にお面のついた真っ白い狐の存在だ。ところがある日、その狐が突然人間の姿をとり、俺は「神の眷属だ!」といいはじめ――!?俺様キツネ×ツンデレ鍛冶師の不思議和風ファンタジー!(「面狐、拾いました1」はウェブ・マガジン小説花丸Vol.1に収録されています。重複購入にご注意ください)
天涯孤独の久朗は、斎賀家に身を寄せている。斎賀家の次男で、現斎賀建設の社長・惟武に可愛がられて育つが、一方で惟武の叔母・悦子や邸の使用人たちから酷い扱いを受け続けていた。そんなある日、惟武が久朗に秘書になれと言ってきて……!?(「そっと、ずっと。前編」はウェブ・マガジン小説花丸Vol.7に収録されています。重複購入にご注意ください)
おんぼろアパートに越してきたボクサーの片瀬一は、天井裏に不審な気配を感じる。覗いてみるとそこには汚い着物をまとい、破れ団扇を持った埃まみれの男の姿が!! おまけに自分は貧乏神だと凄んでくる。空腹でおかしくなってしまったのかと哀れに思った片瀬は、彼に「ビン」と名付け食事を与え、風呂に入れたりと世話を焼いてしまう。初めは激しく嫌がっていたビンも、ふかふかの布団やご飯の誘惑に勝てず、次第に心を開いてくるようになる。そんなビンを、いつしか片瀬は可愛い奴と思いはじめ!?
ある夜、妖怪退治の武士団に襲われ毒矢で射られてしまった半人半妖の蓮は、命からがら逃げおおせるが、この傷では助からないと悟る。そんな時心をかすめたのは、ある人物の姿だった。以前も武士団に追われていた蓮は、あまりにきれいな琵琶の音色に誘われてとある庵にたどりつき、そこにいた美しい貴公子に魅入られ毎晩通うようになっていたのだ。最期に一目彼に会いたいと庵に向かうが、怪我のために庭先で気を失ってしまう。そしてふと目覚めると、目の前に焦がれ続けた貴公子がいた。自分の醜い姿をさらしたくなくて慌てる蓮だったが相手はまったく気にした様子はなくて!?(「鵺の恋は月下に咲く 1」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.23に収録されています。重複購入にご注意ください)
斎賀建築会社の社長戦略秘書として日々辣腕をふるっている上条は、仕事に対してシビアな切れ者だったが、この日だけは浮足立っていた。画家で恋人の穂積が帰国するからだ。山積みの仕事を無理やり片付け、雪の降り始めた街中を急ぎ自宅へ帰ると、そこには一年ぶりに見る愛しい恋人の姿があった。寂しかった、会えてうれしいと口が裂けても言えない素直じゃない上条を、穂積は理解し優しく包みこんでくれるが、上条の心にはいつも不安があって……。(「ずっと、ずっと。 前編」はウェブ・マガジン小説花丸 Vol.15に収録されています。重複購入にご注意ください)