死者の絵を描き続ける画家・鼎凛子の素性は、謎に包まれていた。取材にもほとんど応じない凛子だが、画家を目指す高校生・野島久美子の訪問を受け入れる。凛子は久美子に、自分が絵を描くきっかけについて、自殺した画学生・朔田公彦の話を始める。公彦は、彼女が青春を捧げた人物でもあった。しかし、公彦に激しく恋をした女性は、凛子だけではなかった。三ケ崎しのぶ――彼女との出会いが、凛子のその後の人生を変えてしまった。そしてそれは、久美子の運命をも……。直木賞作家・朱川湊人の傑作短編『死者恋』(文藝春秋社刊『都市伝説セピア』収録)のコミカライズ!