エッセイ漫画家・葛西りいち先生によるマンガ専門学校講師のお仕事マンガ。新しい価値観を持った「Z世代」の生徒たちに授業する難しさを描きながら、「私が若かった頃はな…」と過去のマンガ家としての回想(ほとんど「ピー」だらけの暴露エピソード)を披露し、20年で大きく変わったマンガ業界を浮き彫りにしている。 自分は著者と同世代なだけに、共感できる部分がとても多かった。コンプラなんて言葉のなかった時代をギリ体験してきた世代なら、同じような意識はきっとあるだろうし、実感を持って読めると思う。 それと、鈴木みそ先生のゲーム専門学校のリポート漫画も久しぶりに思い出した。アレほど酷く専門学校のダークサイドを描いた漫画もない…。だけど時代は変わっても生徒たちの根底にあるものは本質的にそこまで変わってなくて、大人側の意見が時代ごとに違うだけかもしれない。
1巻はゼロ戦乗りだった作者の祖父から聞いた話を漫画化したものです。お国の為に戦う!という気持ちではなく、田舎の11人兄弟の末っ子として産まれた自分が成り上がるにはこれしかないと思い、海軍航空隊に志願した…というフィクションじゃないリアルな話が読めます。ただ1巻はよくある戦争漫画の域を出ていません。ここで読むのをやめてしまう人もいるんじゃないかと思います。 元々は1巻で完結する予定でしたが約5年後に2巻が出ます。きっかけは祖父と同じ余科練で訓練を受けていた男性が漫画を読んで手紙をくれたことです。そこで祖父からは孫である作者に語られることがなかった更なる戦争のリアルを聞くことになります。この”2人”のゼロ戦乗りの話をぜひとも映像化してほしいです!
「零戦少年」1巻で完結したはずでしたが、続編が刊行されていて驚きました。なんと完結後にお祖父さんの同期、三浦さんという人物から連絡が届き、そこで新たに得られた戦争の証言によって続編が作られることに。 今作では戦友・三浦さんから見た祖父と、三浦さん自身の戦争体験が描かれています。予科練での訓練、戦地での再開、そして共に特攻へ向かった先で起きたこと。あらためて戦争とは一人の主観だけでは到底理解しきれないものなのだと思い知らされました。前作を読んだなら続編も読んで損はないです。 ※それと、もし興味のある方は現在連載中の「不死身の特攻兵」という漫画も読んでみて下さい。葛西さん・三浦さんたちと同時期のお話になります。おすすめです。
表紙とタイトルの雰囲気で、愛国的な戦争漫画なのかと勘違いしていました…。読んでみたら表紙の印象とはまったく逆で、イデオロギーも美談も関係なく、純粋に一個人が見てきた戦争体験が飾りなく描かれている作品でした。 登場人物たちの言葉使いや仕草は、あえて現代の若者文化に合わせてあって、堅苦しくなくて読みやすかったです。戦争の話は敬遠しがち、、という人にこそ読んで欲しい漫画。
エッセイ漫画家・葛西りいち先生によるマンガ専門学校講師のお仕事マンガ。新しい価値観を持った「Z世代」の生徒たちに授業する難しさを描きながら、「私が若かった頃はな…」と過去のマンガ家としての回想(ほとんど「ピー」だらけの暴露エピソード)を披露し、20年で大きく変わったマンガ業界を浮き彫りにしている。 自分は著者と同世代なだけに、共感できる部分がとても多かった。コンプラなんて言葉のなかった時代をギリ体験してきた世代なら、同じような意識はきっとあるだろうし、実感を持って読めると思う。 それと、鈴木みそ先生のゲーム専門学校のリポート漫画も久しぶりに思い出した。アレほど酷く専門学校のダークサイドを描いた漫画もない…。だけど時代は変わっても生徒たちの根底にあるものは本質的にそこまで変わってなくて、大人側の意見が時代ごとに違うだけかもしれない。