「お庭は、そこに住む人の未来に似合わせて造るんだ」かつて造園業を営んでいた福分家。遺された家で母子二人で暮らす14歳の少女ヒカリ。母親の再婚相手との顔合わせの日、庭師の青年が勝手に家に上がり込み―――。
一人暮らしの大学生活、部屋選びを大失敗。大家も管理会社も助けてくれない、優しくない。そして真冬の部屋探し。「居住中」の物件の内覧を申し込むと、迎えたのは同じ年頃の学生だった。退去予定の彼は、やけに距離が近くて親切で。いざ入居をしたその日、空室になった部屋には「こたつ」が残されていて―――。いなくなった優しい人を想う物語。他、高校生の初々しい親密さを描いた「亀手の先制」、血のつながらない家族になることの後ろめたさや覚悟を描いた「カドル カドル」など、短編6作品を収録。