その女は「悪女」にも「弟」にもなれる――誰もが恐れる『悪姫(あっき)』、胡令花。その正体は、悪女とは真逆の愛らしい顔と純粋な性格。それは誰も知らない……はずだった。皇太子・伯蓮から密命を受けるまでは――
『不苦の良薬』――苦くない、誰でも飲みやすい良薬こそ至高。後宮の官女・英鈴は、そう志して女だてらに薬師を目指している。ある日、後宮で薬茶を売り始めると、珍しい処方に興味を持った皇帝から呼び出される。すると、「甘党の余のために、苦い薬を飲みやすくしてほしい」と、皇帝専属のお薬係に任命された。処方を気に入られた喜びも束の間、妃に昇格すると言われてしまい……?「私が目指しているのは、妃ではなく薬師です!」皇帝のお気に入りが「おいしい処方」を掲げて活躍する、中華おくすり物語!