イケてないやつが音楽に没頭して成り上がるストーリーといえばそうなんだけど…。学校の人間関係で悩んでるとかそういうレベルじゃなくて、マジのアングラで生きる人間たちがたぎらせる熱量のすごい漫画。シンプソンズも出てくる。
10月発売の中でも最注目作品のひとつでしょう。 スピードワゴンは 「環境で悪人になっただと? ちがうねッ!! こいつは生まれついての悪だッ! 」 と、かの名台詞で説いていましたが、この社会には間違いなく環境が生み出してしまう悪があります。 本作の主人公たちは、まさにそういった類の人種。凄絶な家庭で生まれ育ち、若くして天涯孤独の身となって薬の売人をして口に糊している雪人。彼の親友であるメイジ。世界が彼らに生ませたグチャグチャな感情を、音楽として世の中に吐き出すことで昇華していく物語です。 助けてくれる大人もいない世界で、身も心もボロクズになりながら生きてきた日々。どうにもならない絶望の泥濘の中で溺れながら辛うじて息をしている雪人の仮面のような笑顔からは、熱さのような痛みが、飛沫となった血潮が溢れ出しています。 それでも、確かに雪人は亡くなってしまった母や姉に愛されていた。だからこそ、失わずに済んだものがある。それ故に、曲げられない生き方とそこから紡ぎ出せる雪人だけのリリックが存在する。それを最大熱量で、親友と共に解き放つ。そんなエモい話があるでしょうか。 生き方も言葉も真っ直ぐにぶつけてくるリリーとの出逢いを始め、違うけれど同じように苦しんでいる同じ時と場所に生きている人物たちと交差しながら、クソみたいな人生が少しだけマシになっていく。 雪人ほど酷くはありませんが、碌でもない家庭で育ったもの同士だからこそ解り合えることというのはあるので、メイジとの絆が芽生えたときのエピソードなどは強く共感します。 単体で見ればかわいらしさもありながら、それ以上に斬り刻むようなリアルさを迫力として体現する薄場圭さんの絵も作品にガッチリとハマっています。 荒々しく、血を流してマンガを描いている。鋭利に突きつけてくる、愛しい作品です。
お父さんと喧嘩して実家に帰ったけど離婚したのか、なぜお父さんが亡くなったのか気になります。 再婚相手のあたしお父さんは不器用だけどすごく優しくて息子思いだと思いました。 お母さんがあんまりよくない気が。。。口は悪いし、はっきり子供に伝えていないところが可哀そうでした。 でも、義父が優しい人で良かったです。
※ネタバレを含むクチコミです。
「多分…小6やったかな。」 で始まる漫画なんて絶対面白いよこれぇ、で、やっぱり面白かったし期待を遥かに超えてくれてありがとうございました。 刺青に詳しい人や、谷崎潤一郎の「刺青」を読んだことがある人が読むとまた印象が違うのかな。びっくりしたのが、練習に豚バラブロックを使っていたこと。これってあるあるなんですかね。 あと最後におとなになった主人公が月刊IKKIのロゴが入ったTシャツ着てたのがウフッとなりました。
イケてないやつが音楽に没頭して成り上がるストーリーといえばそうなんだけど…。学校の人間関係で悩んでるとかそういうレベルじゃなくて、マジのアングラで生きる人間たちがたぎらせる熱量のすごい漫画。シンプソンズも出てくる。