亡き双子の姉が代理母出産した子を養うジェマイマのもとに、ある日突然、現れた冷徹無比なイタリア人大富豪ルチアーノ・ヴィターレ――魅惑的な美しい瞳に軽蔑をたたえ、彼は言った。「オレの子供はどこだ? おまえが8か月前に産んだ子だ」なんと姉はジェマイマの名をかたって出産し、契約を無視して姿を消したらしいのだ。ルチアーノの誤解を解けば愛する甥を奪われてしまう…。ジェマイマは母親になりすましシチリアにある彼の屋敷へ同行するのだが…!?
王女ナディアは長年敵対している国の王ザイードに純潔を捧げようとしていた。彼に和平を聞き入れてもらうのに私が差し出せるものはこれしかない。踊り子として潜り込んだ宮殿の寝室。ここでこれから卑俗と噂のザイード王を誘惑するのだ…。無垢なナディアがベッドの上で身震いをしたその時、果たして王は現れた。驚くべきは悪評とは程遠い品格と美貌。鷹のように鋭い目がナディアの一糸纏わぬ肌を瞬時に赤く染め上げる。そうして彼女の運命は恥辱の夜にゆだねられた!
大学時代はエリート学生に囲まれ華やかな青春を送っていたクリオだが、実社会に出てからは挫折の連続だった。せめてビジネス界で成功した男性の妻になれればと婚約したジャクソンには最悪の形で裏切られ、途方に暮れて救いを求めた相手は学生時代の親友のひとり、ステファンだった。彼女のみじめな現状を冷笑しながらも、ステファンは救済の手を差し伸べてくれた。彼の手にすがりついたことが、人生で最悪の選択だとは、そのときクリオは気づきもしなかったのだ!
アレッサンドラは欧州一ハンサムな大富豪クリスチャン・マルコスにある事実を告げようとしていた。賑わうパーティーのなかでも彼の姿はすぐに見つけられる。少女の頃から密かにギリシア神話の美少年アドニスの名で呼び、崇拝してきたのだから。その彼と私は一夜をともにした。長年の夢がかなったあとで残ったのは大きな試練。今まで誰のことも本気で愛したことがない彼に妊娠したと告白しなければいけない…。高嶺の花に愛された罪か。やがて彼女は追い詰められていく!
「僕が提示する契約に従え。君に拒否権などない」悪魔のような男…ミラノの大富豪ロッコ・モンデッリにオリヴィアは追いつめられていた。ロッコは私のことを金持ちの男性を渡り歩く魔性の女だと決めつけ、彼の祖父をだましたと思っている。身の潔白を訴えてもまったく信じてもらえない。なんて腹立たしいの!! 怒りを露わにするオリヴィア。一方でロッコの鋭い視線に胸の高鳴りを禁じ得ない。女心を揺り動かされながら強引に交わされる危険な契約。その内容とは?
ジャーナリストのジャッキーは、取材で訪れたジャジール国でスルタンと呼ばれる君主アシムと出会った。宮殿の奥深く、長い間放置されていたハーレムで…。アシムは全身から傲慢な王者の雰囲気を発し、対照的な肌と髪の色をもつ彼女を興味深げに見据えた。ジャッキーがすべてを奪われるのに時間はかからなかった。妖しく官能的な残り香が今も漂うその部屋で激しく抱かれ、彼女は女性としての幸福に包まれた。王が自分を求める一方で、お妃候補と会っていると知るまでは。
ラファエレの車の助手席に座っただけで、彼のものにされた気分になる――サマンサは体が熱くなった。4年前、激しく求めあったあげく妊娠した私は、そのことを打ち明ける前に、彼から遊びの関係だと釘を刺され、無惨に捨てられたのだ。もう2度と会うことはないと思っていたのに、再会してしまった。息子を見たら、彼は自分の子だと気づくだろう。そしてその存在を隠してきた私を、財力と権力のすべてを駆使し、思いつく限りの残酷さで際限なく責めるに違いないわ!!
マロリーは化粧品会社の重役を務めるキャリアウーマン。休暇でリスボンを訪れたその日、海で溺れかけた少女を助け、少女の父ラファエルと出会う。彼は名家ダフォンソ家の当主で、見るからに傲慢で威圧的、しかも…信じられないほど美しい。娘の世話役を探していた彼は、マロリーがその役をひき受けることになると、結婚を強要してきた。プロポーズの言葉は「僕の女になれ」――マロリーは言葉を失うが、あまりにも魅力的な彼の申し出を無視することができなくて…?
マナー講師として上流階級の少女たちに大人気のグウェンは、名門ハリソン家から指名を受け、住み込みで令嬢を指導することになった。当主のウィルは“ダラスで最も憧れの独身男性”と呼ばれる大企業ハーコープ社のCEO。でも実際は会うなりグウェンを値踏みするような、女性をモノとしてしか見ない不遜な男だった。彼にもマナーを教える必要があるわ!意気込むグウェンには、自分がどんなに危険な男性を相手にしようとしているかなど、想像もつかなかったのだ!
モデルのアリシャは有名化粧品会社のキャンペーンガールに抜擢された。依頼主は有名カメラマンのロス――5年前の忌まわしい思い出が蘇る。田舎娘だったアリシャはスーパーモデルに憧れてロスの事務所に押しかけ、お金に物を言わせてカメラテストを受けた。その態度に反感をもったロスの屈辱的な要求に、アリシャは羞恥心をはぎ取られ、誇りを踏みにじられてスタジオから逃げ出したのだ。なぜ今さら私を起用したの?あの屈辱に満ちたテストの続きをするつもり!?
どうして彼が…ルカ・サバティーニがここにいるの!?――2年前、有名なホテル王の息子は身分違いの私をもてあそび、飽きたオモチャのように捨てた。それが再び現れて、権力を盾にデートに誘うなんて!ルカに対する感情なんて、もう何ひとつ持ちあわせていないはずなのに、ふとしたことで私の愚かな心がときめく。しっかりしなくては。私は決して彼に知られてはいけない秘密を抱えている。知られてしまえば、2年前よりもっとつらい悲劇が起こるのだから!!
オーストラリア有数の実業家ウェイクフィールドの卑劣な企みにより、マリナの弟が一族の会社を騙し取られた。頼みの両親はすでに他界し、過去の事故で体にハンディをもつマリナだが、無謀にも敵のパーティーに単独乗り込む。案の定追い返されそうになったところ、ひとりの資産家に助けられた。美貌の男の名はローナン。愛人を演じれば、会社奪還に協力するというではないか。ローナンの燃える瞳が、一瞬でマリナの心を熱く支配した。この取引きは危険すぎる…