2巻に収録されてる対談で森薫先生が「安永さんはキャラクターじゃなくてシーンとか話の展開とか物語のパーツに対して愛情がある」とおっしゃっていてなるほどと思いました。男の子の坊主頭が好きな女の子の話とかまさにそうで「夏の暑い日には汗のつぶがぴっと跳ねるんだろうな」のシーンはすごく印象に残りました。でも一番好きなだったのは中学生の時に同級生だった女の子の日記が自分の鞄に入ってたことを大人になってから見つけた話かな。ちなみに3巻には上野顕太郎先生との対談が収録されています。
河井克夫の原作を女性漫画家が作画する面白い試みの漫画(ひとつだけ逆のパターンもある)。コラボして面白くなってるツボが違うので一番好きな作品とかは特にない。どの作品も面白かったです。 「蛍の僧都のこと」近藤ようこ 近藤ようこさんが描くことを念頭に置かれて作られた原作だそうで、むしろ原作が存在しないんじゃないかってくらい近藤さんらしい漫画だった。 「5人いた」二宮亜子 ヨーロッパのお屋敷で旦那様が殺される事件が起こり、3人のメイドを事情聴取するが…という話。何重にもオチがあって面白かった。 「アムステルダム」安永知澄 一番独創的な作品でした。小学生達が遠足でアムステルダムにやってきてマリファナ入りのパンを食べてしまう話。色んな幻覚を見ます。 「米の回路」原百合子 当時まだ学生だった原百合子先生が描かれた作品。もしかしてこれがデビュー作なのかな?ストーリーうんぬんよりも現在の原先生の絵の上達っぷりに感動した。 「猫又」おくやまゆか 1500年生きて猫又になった小梅と元飼い主のあかねさんの都々逸対決。すごくコミカルで面白かった。 「サンクチュアリ」やまじえびね いつものやまじえびね先生とテイストが違うけど、先生がノリノリで描いたことが伝わってきた。 「片岡一郎の一日」横浜聡子 これだけ女性映画監督が原作を担当して河井克夫先生が作画をしている。起承転結の転になるようなことは何も起こらないのに面白い。片岡一郎の違う一日も読んでみたくなった。
これが何の漫画なのか、というのが全く見つからない。しいていうなら、田舎の夏を構成するものが全部入っているような漫画です。ページの隅から隅まで余すことなく味わわないと損するような気持ちになる。中でも、涙を含めた水の表現の芸術性が高すぎる。アシスタントさんが居たとしてもあれをひたすらカリカリ描いてる風景は凄まじいものだと想像します。 過去に囚われ前に進めない姉・庸子と、毎日何かに傷つき何かに喜ぶ眩しい日々を送る妹・きら。そのコントラストを丁寧に、余所見せず、誤魔化さず、真っ直ぐに描いているという印象です。 夏が終わると思って焦って久しぶりに読み返しましたが、こんな傑作だったか…?と驚いた。最終話ひとつ手前の32話がいちばん好きです。 #マンバ読書会
短編集だから読みやすいだろうと思ってこちらを選んだのですが、最初に収録されてる長〜〜〜〜い脇毛が一本だけ生えてくる男の子の話でもう面食らいました。なんだこれは…!後半からは雑誌「本人」に掲載された自伝的な作品が収録されています。自分の身の回りで起きた出来事を描いているのでジャンル分けするとしたらエッセイ漫画になると思うのですが、なぜかストーリー漫画を読んでいるような気持ちになる話ばかりでした。とても面白いのですが初めましての作品としては適さないかもしれません。他の作品を読んでからの方がより楽しめそうだなと思いました。
2巻に収録されてる対談で森薫先生が「安永さんはキャラクターじゃなくてシーンとか話の展開とか物語のパーツに対して愛情がある」とおっしゃっていてなるほどと思いました。男の子の坊主頭が好きな女の子の話とかまさにそうで「夏の暑い日には汗のつぶがぴっと跳ねるんだろうな」のシーンはすごく印象に残りました。でも一番好きなだったのは中学生の時に同級生だった女の子の日記が自分の鞄に入ってたことを大人になってから見つけた話かな。ちなみに3巻には上野顕太郎先生との対談が収録されています。