「よろしくね、僕の〈許可証(カード)〉」 19世紀末――絶対的な階級社会と化した大英帝国・ロンドン。警察官オスカー・ガルシアは困っていた。毒物混入事件の捜査に乗り出すも貴族絡みと分かると上層部は及び腰。手がかりを求めて向かった先は…紅茶専門店『camellia&rose』。オスカーの愚直さを気に入った義眼の店主セオ・アトリーは、捜査への協力を申し出るが… 「僕、大罪人なんだよね――あの店は僕の牢獄」 店に囚われるセオの外出許可証・通称〈カード〉に任命されたオスカー。やがて彼はセオの瞳の奥に揺らめく復讐の炎を知ることになり――? 義眼の紳士×堅物警官が、貴族社会の血塗られた裏側を往く――数奇なる運命の物語。※こちらには【第1話~第6話】が収録されています。
ウィルの家に突然やってきた新しい弟・ヘンリー。母親の身勝手により始まった奇妙な共同生活だったが、穏やかな日々はそう長くは続かなかった――。ウィルの父、クラスメイトや教師など ヘンリーに関わった者が相次いで不審死を遂げていく。瓦解し始めた日常に、身の毛がよだつウィル。言い知れぬ恐怖の正体を突き止めるため、出自不明のヘンリーの過去を探るも 次第に浮かび上がってきたのは、恐ろしくも血塗られた事実で…? そして、真相に迫るウィルに忍び寄る不気味な闇の気配―― 不可視の「ナニカ」がヒトを捻り潰すのを目の当たりにしたとき、混乱に陥るウィルの眼前に現れたものとは――…!? 戦慄のサスペンス&ホラー! ※こちらは【読切作品】です。
【アフタヌーン四季賞2020冬 佳作】江戸からタイムスリップしてきた熱血からくり技師が、生意気小学生のピンチを助ける!
四季賞'20年冬のコンテストで選考委員・藤島康介を唸らせた実力派がおくる怪奇譚!(good!アフタヌーン2021年8月号)
「近藤勇の首…知らねぇか?」死人で造られた兵器・傀が巣食う世界で… 人の生き死にをも操り、彼らは何を成そうというのか… ――幕末の戦争で使用された傀は、明治の世でもなお存在し、人々に恐れられていた…。そんな中、傀を操る術を学ぶ少年・多喜と傀となって蘇った謎の青年は出会い、共に旅を続けていた。煉獄の中で手を組んだ彼らは、それぞれの目的を達するべく、その命に火を灯す…。ひとりは仇のために、ひとりは義のために… 陰謀渦巻く暗中の世で、二人の刃が向く先とは―― 明治の騒乱を新説で描く異聞奇譚、ここに開幕!!
仮想明治余年。幕末の動乱からようやく落ち着きを取り戻し始め、新たな文明が開き始めていた東京。そんな東京のある町で「胃のない遺体」が発見されるという事件が相次いで起きる。そんな怪しげな事件現場に現れた、怪しげな子連れの洋装の薬売り。「そいつぁ人間の仕業じゃねぇよ」という彼らの正体は。