ひとコマひとコマが可愛い。 「不思議な日々がなくてもあなたと一緒なら」という帰結はありきたりながら一番良い。
RPG的異世界冒険譚の本作。不思議で愛らしい絵で描かれる世界は少しずつ、私の常識をずらしてゆく。 ゴツい男たちに混ざる、主人公の二人組は小柄でいかにも女の子なのだが、一人称は「僕」。この世界の大浴場は混浴で、キスは元気が出るおまじない。 モンスターがはびこる世界で、勇者がモンスターを「殺せない」のもまた、常識からずれている。心優しくて気弱な勇者の少女と、彼女とパーティーを組む賢者の少女は、モンスターに関するある秘密を共有する。 どんなに力があっても、この世界は救えない。彼女たちにしか救えない「世界の秘密」を共有しながら物語を読む喜び!その中で時にお風呂で裸の付き合いをし、時に美しく(裸で)舞う勇者に、少しずつ惹かれてゆく賢者……ワクワクと共に来る不思議なトキメキ、すごい! 独特な絵柄・不思議たっぷり・優しくてちょこっとエッチなRPG的冒険百合。この非日常で特別な読書体験、全ての漫画読みに味わって欲しい!
※ネタバレを含むクチコミです。
読むと心がそわそわする漫画です。主人公の恋ちゃんと愛ちゃんのふたりはいまどき珍しすぎるほどに純粋で無邪気。一方、立派過ぎるオトナである自分はとてもじゃないけど純粋な気持ちでは読めません…!!!防音が施された部屋にいたら奇声を発してのたうち回ってるかも。 絵柄のファンシーなイメージから、ゆるくて微笑ましい百合マンガを想定できるかもしれませんが、読むと正直びっくりちゃう可能性が高いかもです。いや、ぜひびっくりしてほしい。 基本的には表紙にいる少女・恋ちゃんのピュアな好奇心からストーリーが始まり、相手である愛ちゃんが戸惑うというパターンが多いですが、その愛ちゃんもしっかりしてそうで意外と突拍子のない行動をとったりするのが可愛くて、結局どっちもどっちな構図になってるのが面白いところです。 1巻だけでも結構すごいところまで好奇心がエスカレートしてふたりの仲が深くなっているので、2巻どうなっちゃうの??と心配です。と同時に期待です。
先日はマンガプレゼン大会をご視聴頂き、ありがとうございました!まだご覧になってない方は、以下のアーカイブからご覧いただけますと幸いです。 https://youtu.be/ZYK7RSvhwAQ ここで私は『不思議なゆうなぎ』について、大庭直仁先生の独特な絵柄から『魔法陣グルグル』を連想し、そこから「拙い恋の化学反応」という共通テーマを見出す試みをしました。 恋とは「甘さ」である一方で「拙さ」でもあることは、何となくお分かりいただけるかと思います。幼い恋の思い出が、自分の不甲斐なさで悲しい思い出となっている人も、多いのではないでしょうか。 私達が初恋物語を読む時、そこに求めるのは、あの時自分はどうしたら、悲しい結末を迎えずに済んだのだろうか、ということかもしれませんね。 『魔法陣グルグル』では、ククリの恋心はニケに受け止められることで解決しますが、二人の関係にどこかはっきりしない部分を抱えて物語は『魔法陣グルグル2』に入ります。 普通の人の恋愛も、例えば付き合った、同棲した、婚約した……なんてはっきりとした区切りがあっても、まだどこか信用ならない、と互いに思っている節がある。何年共に時を過ごしても、二人の恋愛物語はいつどんでん返しの起こるか分からない、続編のような趣があります。 『不思議なゆうなぎ』が幸福なところは、二人の少女の絆が深まり、確かになっていくのを見られるところ。危険な出来事に遭遇することをきっかけに、二人は次第にはっきりと、互いへの恋を告げる。なぎはゆうに「心配している」と告げることで、不安定なゆうの心を開く。一方ゆうはなぎのピンチに「あなたと絶対離れない」と言うことで、なぎを救う。 そうして心の中でグルグルしていた、互いに見える筈の無い「恋」は、相手にもはっきりと見える「信頼」となります。それは「愛」とも呼べる物でしょうか。 ★★★★★ 〈恋〉から〈愛〉へ。拙い恋の不安定さを、強い想いで乗り越える理想的な恋愛物語は、「SF」で「百合」な「フィクション」という枠組みでこそ成立する、かなり非現実的な物かも知れません。 それでもこの理想は眩しくて、私達はツクリモノと分かっていても、何度でも読みたくなるのです……自分の不甲斐ないハツコイの思い出を、慰める為に。 ★★★★★ 〈恋〉から〈愛〉へ……大庭直仁先生の新連載『恋の好奇心』の主人公は、〈恋〉ちゃんと〈愛〉ちゃんでしたね。 どうでしょう、気になりませんか? 『恋の好奇心』 https://manba.co.jp/boards/127107
『不思議なゆうなぎ』大庭直仁先生、COMICリュウWEBにて連載開始! 『恋の好奇心』 https://www.comic-ryu.jp/_koukishin/index.html 〈恋〉と〈愛〉は友達。ある時恋は、愛にポッキーゲームを持ちかける。恋の好奇心を、愛が受け止めた時……! 『不思議なゆうなぎ』の不思議な絵柄はそのままに、より「百合」恋愛コメディ色が強くなる様です。二人はこの先、どこまでエスカレートするのか、楽しみです!
こんな凄い日常SFファンタジーがあったとは!マンバを使ってなかったら知らなかったかもしれない。 いや名前は知ってましたけども、なんでもっと早くちゃんと読まなかったんだと後悔しました。 『全知図書館』『迷宮団地』『地下世界』…こんなワードが琴線に触れそうな人は必読です。 ふたりの少女が地球の不思議、いや宇宙の不思議に、巻き込まれてしまいながらもいたってマイペースに友情のような恋のような心を育んでゆく描写が感動的でもある。 なにかと主人公が服を脱がせられがちなのにエロを描こうという気持ちが無さそう。など、この作者にしか描けない独自のワールドが展開しています。 全2巻というのは短い気がしますが、次回作があるならそんな楽しみなことはないです。
要素が多い! ……とにかく独特な点が多くて、斬新な表現を見ているはずなのに、最終的に「可愛いし、ホロっとくる!」と誰もがほっこり納得してしまう……これいいですね! ●大好き同士の女の子、ユウとナギは、ナギの体質のせいで(とユウは思っている)お互いの身に不思議なことが!どんな困難も友情力で解決する、ほんわか百合が堪能できます。 真っ直ぐに互いを求める百合尊い! ●問題が起こるたび、二人は裸が見えてしまったりするのですが、いやらしくならず、互いの秘密を共有する表現になっています。 でもちょっぴりエッチに扱われるお尻もあります。 ●均一なペン画で、幾何学的な背景やメカ的なSF表現がされる一方、背景の木や雲などは屏風絵から発想を援用したような感じか。ユウとナギの髪が版画的な表現でアクセントになっており、几帳面なタッチながら、絵のアイデアが豊かで楽しい! ●不思議事件に巻き込まれるうち、次第に行動範囲が広がり、不思議な街の秘密が二人の目の前に。これ、続刊がめっちゃ楽しみなやつだ! 石黒正数先生やつばな先生が好きな方は、たぶん好きかなぁ。 不思議世界に翻弄される二人と、少しずつ縮まる様でいて実は両想いでしょ?な二人の距離を、目から星をキラキラさせて楽しみましょう! 1巻は2月7日発売。 出たばっかりだよ!読もう! (すみません、当初 #1巻応援 のタグを入れる場所を間違えていたのですが、改めてタイトルに入れました。実は2巻で終了、しかも2巻は電子書籍のみというアナウンスがありました。非常に残念ですが、せめて2巻が売れて大庭直仁先生の応援になればと思います。本当に面白いのでみんな読んで!)
ひとコマひとコマが可愛い。 「不思議な日々がなくてもあなたと一緒なら」という帰結はありきたりながら一番良い。