「美代子阿佐ヶ谷気分」「軍刀」「無頼の面影」「阿佐ヶ谷心中」「ピストル」「川」「静かなピンク」「落下傘」「恋愛」「キス」収録。私は三十二歳の頃に分裂病を発病し、以来、十七年間まともな考え方が出来にくくなった。今回の作品集は、分裂病以前の作品であるが、発芽の模様はすでにある。――私はいつ死ぬか判らないが、漫画も小説も油絵も死ぬまで画く事になるかも知れない。(安部慎一)
九州に帰ってゆっくり過ごすため、引っ越すことを決めた若夫婦。だが、まだ部屋も決まっていない。その夜、店が終わった後、ビリヤード場に寄った夫だが…。(トマト)/ 自由奔放な嫁、よし子に、舅は見事な嫁だと感心するが、舅が亡くなった後、よし子と夫との間は…。(よし子の幸福)/ ほか、村上の休む日・巨人・月・屋根、そしてその独特な作風で描いた表題作「天国」の全7作品を収録。
1970年半ばから80年代にかけて突如現れ、アッという間にポルノ劇画界を席巻し、その後消えた山村真介。彼の描く女性は、母ごとく優しく強く、読む人に訴えかける。まるで真介の妻、節子のように。その節子に初めて会った文芸誌の新人賞を受賞した里見は、1年後に彼女と肉体関係をもってしまい…。(ポルノ劇画家 山村真介)/ ほか、意趣返し・獣愛・愛奴・あいびき・こころ・親子将棋・淫らな娘・堕ちる・日の興奮 など、異色エロス作品、全10編を収録。