短編集なのですが1本目と2本目が両方とも学校で先生をしている実の兄のことが好きな女の子が主人公の話だったので驚きました。しかし2本目がデビュー作でこれを描いた当時の谷川先生は高校生だったそう(若ッ!)。そして1本目は収録作の中では一番新しいもので「新しい話を思いつかなかったので(中略)デビュー作の完結編といったところです」とのこと。確かにそれを踏まえて読むと、2作目の方は兄に対する憧れを卒業した女の子がこれから本当の恋をするんだろうなと思えるようなラストになっていて、より深いドラマになっていました。もうこの時点で今の谷川先生に通じる作家性が出来上がってますね。
もうスタートの話からして良いですね。 ベッドで横に寝ている恋人の背骨を見て博物館の恐竜を想起する描写…。 初めての人を適当に付き合ってしまったが為に、今付き合っている目の前の彼のことがちゃんと好きか自分自身を疑ってモヤモヤするとか… 繊細…!感情の機微を丁寧に追っていく話はもう大御所の恋愛漫画家でこそ形にできるものだと思います。
忘れられない事ってたくさんありますよね。 でも、心で思っている事がほとんどです。 行動に起こすと、いろんな問題に突き当たるから。 それを許してくれる人は、素敵だと思うけど、その人が無理をしている事が分かっていて行動するのは、どうなんだろう? 考えさせられます。
読了後の清涼感が気持ちいい♬ 清々しい~~~風が吹いてきます。 高校に入学してから卒業までの多感な時期が描かれています。 悪い人が一人も出てこないし、それぞれのキャラクターの背景もしっかりしていて、人物像が浮かび上がります。 主人公の田中清は、お嬢様学校に憧れてがんばって勉強してやっと入学した。クラスメイトは、ほぼ中等部からのお金持ちのお嬢様の生徒たち。最初は、背伸びしていた清も周りの優しい友人に囲まれて学園生活を楽しんでいる。必修科目のクラブ活動を選ぶ際に自分に合ったものが中々見つからない清。ふと飛び込んだバラ園で本八幡先生の意外な一面も発見できて、園芸部の一員となる。 本八幡先生は、坂口健太郎そのもので、癒される💓 作品の中に、自分を勇気づけてくれる言葉が散りばめられています。 大人になっても、読める学園ものです。
現在ココハナで連載中の作品です。大人向けの谷川史子って感じでハマりました。面白いです。色んな初めての経験が出てくるんですが、どれも前置きとして「大人になって初めて」が付くようなところが味わい深いです。例えば「本当に好きな人が出来たから苦しい」とか「友達が他の人と仲良くしてるのに嫉妬してしまう」とか。子供の頃よりも大人になってからの初めての方がハードルが高くなってて難しいですよね。「好きになった人が既婚者だった」女の子も登場するんですがドロドロし過ぎてないのが谷川先生らしいかも。シリーズ物で1話完結だったり数話続いたりバラバラなんですが、それぞれの登場人物が繋がっているのも面白いと感じたポイントです。自分もこういう大人な話を背伸びしないで読めるようになったんだな〜。
2番目に載っているスパイラルホリデイの良さったらすごかった…結婚披露パーティーが始まるまでの数時間、誰が何をしているかを同時進行で描いていて、なかでもとにかく主役のふたりがそれぞれの理由でパーティーに間に合わないんじゃないか?!という状況でドキドキハラハラしっぱなし。最後の集合写真見たらもうみんな幸せになってくれ…と願うしかなかった。。
一人でいる時に感じる孤独より、群衆の中で感じる孤独の方が真の孤独だ、といった言葉を以前何かのエッセイで読んだ記憶があります。 一人でも誰かと繋がっていることは多分あるんじゃないかと思いますし、誰かが側にいても孤立することも多分あり得ます。ただ、一人でいることも、そんなに悪いことじゃないと教えてくれる作品も世の中にはあって、谷川先生は一人でいるあなたの背中を押してくれるんじゃないかと思います。 作品に登場する男女はみな、なにがしかの事情で一人です。でも、彼ら彼女らは決して孤独ではないし、あなたも多分そうでしょう。 孤独であることに心が挫けそうな時、一人でいることも満更でもないと、心を軽くしてくれる物語です。
はー、泣いた泣いた。 純粋な心とか、思いやりとか、信頼とか努力とか友情とか、初恋とか…。これほど「いいものだなぁ」と思える漫画他にない。 こういうお嬢様学校があったらいいな、がぜんぶ入っている気がします。全員良い子、いい人って凄いな…。 谷川史子先生は素晴らしい〜。
登場人物が純粋で、読んでいてこちらも純粋な気持ちになってきます。大切なことを思いださせてくれます。女の子がみんな明るくてかわいいです。こういう明るさ見習いたいなと思いました。青春を感じます。
母の本棚を整理しているときに見かけた谷川先生の短編集。一つの街を舞台にそれぞれの可愛らしいカップルたちの恋愛模様が描かれています。主婦になった今はもう感じることのできない甘酸っぱさや、相手を好きだからこそすれ違ってしまう気持ち、好きになってはいけない大切な人との折り合いのつけ方など、一話一話のストーリーが染み入ります。連作になっているので、主人公が変わってもお友達として前の作品の主人公が出てきたり、この一冊を通して一つの街のあたたかな恋愛模様を見守っている気持ちになってとても良いです。
短編集なのですが1本目と2本目が両方とも学校で先生をしている実の兄のことが好きな女の子が主人公の話だったので驚きました。しかし2本目がデビュー作でこれを描いた当時の谷川先生は高校生だったそう(若ッ!)。そして1本目は収録作の中では一番新しいもので「新しい話を思いつかなかったので(中略)デビュー作の完結編といったところです」とのこと。確かにそれを踏まえて読むと、2作目の方は兄に対する憧れを卒業した女の子がこれから本当の恋をするんだろうなと思えるようなラストになっていて、より深いドラマになっていました。もうこの時点で今の谷川先生に通じる作家性が出来上がってますね。