世界の南の端にある「花勒(かろく)」「花陀(かだ)」「雨果(うか)」「沙文(しゃもん)」の四つの島。それぞれの島を治める領主は、海神(わだつみ)の託宣により選ばれた『海神の娘』と呼ばれる娘を娶ることとなる。この娘たちを娶ることにより、島は海神の加護を得て、繁栄するのだという。海神(わだつみ)の託宣により、花勒(かろく)の若き領主・啓(けい)のもとに嫁ぐこととなった蘭(らん)。しかし彼女は、花勒の先代領主・榮君(えいくん)に父を処刑された過去を持っていた。己の肉親を殺した男の息子に嫁がねばならぬ運命に不安を抱えながら、蘭は月明かりの下、小舟で婚儀に向かう―――。【第1章「黥面の妃」を収録】
京都・下鴨――。高校生の鹿乃は、ぐうたらな兄の良鷹と兄の友人で准教授の慧の三人で暮らしている。ある日、鹿乃は亡くなった祖母のアンティーク着物の整理をするために「開けてはいけない蔵」を開けてしまい…!? 集英社オレンジ文庫の大人気作品をコミカライズ!