仏像か何かかよ
サザエさんの作者である長谷川町子のエッセイ漫画です。 生い立ちやサザエさん創作秘話だけでなく、歴代のペット達や旅先で出会った人々の思い出など、盛りだくさんかつユーモラスに描かれています。 特筆すべきは!作者のお母さんです。早くに父が病気で亡くなり母一人で娘三人を育てることになるのですが、この母の行動力がすさまじい。 まず上京。そして、次女の町子を漫画家・田河水泡、長女を洋画家・藤島武二、三女を小説家・菊池寛に弟子入りさせます。 ビッグネームばかりでビビりますよね。 母の破天荒なエピソードはたくさんあるのですが、晩年はボケて娘の顔が分からなくなってしまったことも描かれていて、老いを見る作家の目を感じます。 終戦の翌年に地方紙で始まったサザエさんの連載ですが、作者としては本業は家庭菜園、漫画はアルバイトだったそうです。 そういう気質もより多くの人に寄り添える国民的作家としての器かもしれません。
仏像か何かかよ