勤め先を半ば追い出されるように辞めたパティシエの玲央(れお)は、その日、ラウロと名乗る男の訪問を受けた。彼は外資系ホテルに新規出店するパティスリーに玲央を勧誘しに来たと言う。華やかな容姿のせいで嫌な思いをしてきた玲央は警戒するが、先輩・村重(むらしげ)の後押しもあり承諾。大喜びするラウロの姿は、イタリアに住んでいた幼少期、町で見つけて連れ帰った黒い犬を彷彿とさせた。二人でいる時に玲央が不審者に襲われ、心配したラウロは玲央を社宅と称する超豪華マンションに連れて行くと、甲斐甲斐しく世話を焼き始め……?本書は「狂犬ドルチェ」(プランタン出版刊)を元に電子書籍化いたしました。表紙イラストは描き下ろしとなります。表紙イラスト以外の収録はございません。
一希(かずき)にとって共に暮らす又従兄・柊慈(しゅうじ)は人生の全てだった。初対面で彼をお姫様と間違えプロポーズした一希を美しい笑顔で受け入れ、両親を亡くしたときは親身に寄り添い慰めてくれた。一希は食事も着替えも入浴も射精さえも柊慈に世話され、それが愛情だと教え込まれた。そんな二人の仲を邪魔するのが柊慈の親友で白波(しらなみ)組・若頭補佐の功(こう)だ。会うたびに意地悪をする憎らしい男。けれど根っこは優しい功に胸が疼くのも事実だった。だがある日、銃撃された功を庇って怪我をした柊慈が犯人に連れ去られてしまい……?※本書は「悪夢のように幸せな」(プランタン出版刊)を元に電子書籍化いたしました。表紙イラストはミキライカ先生の描き下ろしとなります。表紙イラスト以外の収録はございません。
暁生(あけお)は級友の鴛海康将(おしうみやすまさ)にまとわりつかれて迷惑していた。奨学金で学校に通いアルバイトで生活費を稼ぐ暁生と、大企業の会長子息でモデル並みの容姿を持つ王様みたいな康将では世界が違いすぎる。だがある日父親の暴力で大怪我をした暁生は、康将に助けられる。彼の自宅に連れて行かれ、そこで康将の父の勝将(かつまさ)と出会う。勝将は大人の男の魅力に溢れ、その美声で暁生を「いい子だ」と慰め、大きな手で頭を撫でてくれた。康将とも友人となり、度々家に招かれるうちすっかり勝将に懐く暁生だが……? 禁断の義父兄弟三人愛!!※本書は「蜜家族」(プランタン出版刊)を元に電子書籍化いたしました。表紙イラストは描き下ろしとなります。表紙イラスト以外の収録はございません。
王都で音信不通になった幼なじみを探したい──。固い決意を胸に秘め、田舎から旅に出た青年ニカ。着いた早々出会ったのは、高い魔力と美貌を誇る司教のシルヴェストと、獣も一撃で倒せる騎士団長ザカリアスだ。地位も名誉も併せ持つ二人に、ニカは少しも興味を示さない。魔力すら無意識に排除する彼は、一体何者なのか…? 犬猿の仲の二人は、競って関心を惹こうと邸での滞在を提案して!? 優雅で高潔な騎士と聖者はもういない。俺たちは、獲物を奪い合う獣同士だ── ※口絵・イラスト収録あり
隣国の侵略で戦乱の続くソルグランツ王国。神殿の神官・アリーシェは、ある日瀕死の重傷を負った男を拾う。頑強な肉体に紫色の瞳――男は《鮮血(プルート)》の異名を持つ傭兵(ようへい)だった。アリーシェの献身的な看病で一命を取り止めた彼・ヴォルフは、熱心に愛を迫るようになる。そして隣国の襲撃の際、神殿の人々の命と引き換えにアリーシェを城へと連れ去った。実は王国の第一王子だった彼は、アリーシェを「我が后」と呼び、強引に身体の秘密を暴き、二つの性を蹂躙(じゅうりん)するが……。 本書は「覇狼王の后(上)」(プランタン出版刊)を元に電子書籍化いたしました。表紙イラストはカワイチハル先生の描き下ろしとなります。表紙イラスト以外の収録はございません。
【特別版/書籍発売時、一部書店用に書き下ろされた番外編を追加収録!】十年前の夏休み、夏生の大切な幼馴染みの柊は目の前で謎の霧に攫われ、消えてしまった。大学生になり、柊が生きていると信じて彼が行方不明になった山へ向かうが、あの日と同じ霧に包まれ、気が付けば不思議な村へと迷い込んでしまった。「おだまき様」という神を信仰し、昭和時代のような生活様式の村には、雄々しく成長した柊がなぜか暮らしており「ずっと会いたかった」と激しく抱きしめられて――。あの夏の続きが、はじまる。
恵渡(えど)に幕府が開かれて百年あまり。庶出ながら奇妙な巡り合わせで八代将軍となった十八歳の七條光彬(しちじょうみつあき)は、このたび都より御台所を迎えることとなる。だが嫁いできた相手は、絶世の麗人ではあるものの紛うことなき男子だった。「お会いしとうございました、背の君」そう告げる御台――純皓(すみひろ)から本気の熱が感じられ困惑する光彬。そして迎えた初夜、純皓は巧みな手練手管で、女性嫌いで初心な光彬の身体を開いていき……? 御台所×将軍の豪華絢爛色恋絵巻開幕。※本書は「華は褥に咲き狂う」(海王社刊)と同一の内容となります。
あたたかい食事と快適な部屋、欲しいと思う前に与えられる服や本。すべてが完璧に整えられた箱庭、それが雪加の住む世界だ。偽りの平穏の中、見えない男の存在に頭がおかしくなりそうで、ある日雪加は逃げ出した。だが自由を求めて海に入った雪加の肩を掴む手があった。斑目帷、雪加の支配者。彼は凄絶な美貌を歪ませ、こう告げた――逃げなければ追わなかったのに。執着と恋着がおりなす幼馴染み同士の絶愛。
永崎奉行・統山鷹文のひとり息子・好文は、梅の花のように美しい容姿と優秀な頭脳を持つ紅顔の17歳。父の期待に応えるべく精進していたある日、大好きな守り役の実醇が父親の情人であると知ってしまう。傷心のあまり家を抜け出した好文はならず者に襲われ、そこに現れた異様な存在感を放つ金瞳の男・明星に助けられる。明星は好文に一目惚れしたと言い、どこか得体は知れなかったが、好文は誘われるまま男のもとに身を寄せることにし……? 「華は褥に咲き狂う」スピンオフ。※本書は「桜吹雪は月に舞う」(海王社刊)と同一の内容となります。
借財の形に、妓楼に売られた伯爵令息・馨(かおる)。初夜を競り落としたのは学院の同窓生でもある実業家・朝倉千尋(あさくら・ちひろ)だった。幼い日に馨に一目惚れして以来、馨にかしずき、馨を守るためだけに巨万の富を築いた千尋は、馨を「俺のお姫様」と呼び、身請けを申し入れる。けれど馨にはどうしても頷けない理由があった。頑なに拒絶する馨を、態度を一変させた千尋が強引に組み敷き……?恩讐の果てに花開く至極の恋。