https://manba.co.jp/manba_magazines/16043 この記事に書いてあるのを読めば花岡ちゃんがどういう子なのかがほぼ分かるのですが、70年代の、しかもあの少女マンガ誌「りぼん」に、この「花岡ちゃん」をヒロインとした漫画が掲載されていたと考えるとたしかにびっくりです。自分はリアルタイムでは読んでないですし、漫画の存在もこのマンバ通信の記事で知りました。掲載順としては花岡ちゃんがまだ脇役キャラとして出ていた回を経て、主役に躍り出るって相当人気があったことの証明ですね(読者人気を受けて主役にしたのか作者の独断かはわかりませんが)。恋愛に縁がないキャラなのかと思いきや、偶然であった男性と急接近します。しますけど、その距離感がまたなかなか見ないタイプのやつで面白いんです。そしてその相手の男性も、美男子ではありますがこれまたりぼんヒロインの相手としてはなかなか癖の強い…(笑) 当時のことを振り返るあとがき漫画も読み応えがあって内容も面白かったです。 今の作者が描く「花岡数子」をぜひ読んでみたいものです。
金沢大学の薬学部に通いながら少女マンガにSFを描いていた清原なつの先生。『じゃあまたね 完全版』は、編集者さんからの「猫のマンガ描きませんか?」という提案をきっかけに描かれたそうで、猫のタイガーを飼い始めた少女時代からタイガーが亡くなる大学卒業までを回想した自伝マンガになっています。 読んでみてオリジナリティに溢れた作品がどうして生み出されたのか少しだけ分かったような気がしました。りぼんでデビューしたのが偶然だったのには驚いたし、ペンネームにまつわるエピソードも面白かったです。就職ではなくマンガ家を専業に選ばれた理由も先生らしいと思いました。 大学生の頃にはすでに花岡ちゃんシリーズも描き始めていたそうで、これから先の清原なつの先生のまんが道も知りたい!というのが正直なところですが、タイガーが亡くなってから40年ペットロスだと語られていたので、これはこれで完結するべき作品なのでしょう。でも気が向いたらぜひ続きを描いてくださいね! ちなみに紙版の単行本には収めきれなかった複数のエピソードが電子版には収録されています。なので電子版はタイトルが『完全版』となっています。
りぼんに描かれた初期作品がまとめられています。最初はりぼん掲載とは思わずに読んでいたので後から知って驚きました。かなり自由ですね!でもこんなにユニークな話を読んで大きくなったりぼんっ子は幸せだなぁと思いました。男の子にフラれて動物園でふてくされてた女の子が30年ぶりに初恋の人と再会してゴジラを観てきたおじいさんと出会う「ゴジラサンド日和」と、朝起きたら男の子の背中に天使みたいな羽が生えていて飛んだり出来るようになったけど実は宇宙人の仕業だったという「飛行少年モッくんの場合」が自分は好きでした。どういう人がこの話を描いたんだろうと気になった方は、自伝的猫コミックエッセイ「じゃあまたね」を読まれるといいと思います。「花岡ちゃんシリーズ」の蓑島くんがなぜハゲ頭なのか理由も分かりますよ。
『私の保健室へおいで…』は2002年にハヤカワ文庫JAレーベルにて発行された作品集だ。収録作品は81年〜90年作までと年代で見れば幅広いが、版元の紹介文に「スタイリッシュなラヴロマン」と謳われている通り、全作に恋愛要素を含んだ統一感のあるラインナップである。 こう書くと、恋愛最中の高揚感であるとかシャープな駆け引きみたいなのを想像されるかもしれないが、清原先生の作品ではもっと引いた視点から恋愛が描かれる。それが清原なつのシグネイチャーとしか言いようのない個性をマンガに宿している。 清原先生は、思い込みや呪縛などによって凝り固まってしまった心がフッと解きほぐされる瞬間を描く。 そういった人が持つしなやかな強さに触れた時、自分の心も軽やかになった気分になる。 この特色は、恋愛要素を主軸とした本書において特に傾向が強い。清原作品における恋愛は誰かと誰かの交流であり、他者により自己が変化することがあるためだ。それが本書を魅力的なものにしている。「新説 赤い糸の伝説」とか本当に最高…… 本書から清原先生に入門した場合、次に読むのは何がよいだろうか。 発表当時のコミックスは絶版であるが、近年に月刊フラワーズでポツポツと発表されている作品を除けば、ほぼ全作品が文庫などで網羅されている。(電子書籍化も文庫については殆ど為されている状況) そのゆえ間口がとても広いので、コレという名前を挙げるのは難しい。各々の関心領域と描かれている題材がマッチしている作品が適していると考える。 本書から遠くないニュアンスのものを読みたいのなら『春の微熱』、もしSFが好きであるなら『アレックス・タイムトラベル』、歴史物であれば『飛鳥昔語り』、性に纏わる領域に関心があるなら『花図鑑』あたりだろうか。これらをまとめた清原先生の総体と向き合うのなら自選傑作集『桜の森の満開の下』。清原先生が生み出した発明的キャラクター・花岡ちゃんが活躍する『花岡ちゃんの夏休み』もいい。 ちなみに、マイベスト清原なつの作品は『春の微熱』収録「群青の日々」です。
人語を話すゴリラとの恋愛を描いた「金色のシルバーバック」が一番好きでした。宇宙パイロットを目指す男女がひとつになる話やアンドロイドをつくる孤独な博士の話など色んな短編が収録されています。SF好きな方にファンが多い作家さんですが、私は少女マンガらしい心の機微の描写に惹かれました。ぜひSFに詳しい方の感想を聞いてみたいです。
https://manba.co.jp/manba_magazines/16043 この記事に書いてあるのを読めば花岡ちゃんがどういう子なのかがほぼ分かるのですが、70年代の、しかもあの少女マンガ誌「りぼん」に、この「花岡ちゃん」をヒロインとした漫画が掲載されていたと考えるとたしかにびっくりです。自分はリアルタイムでは読んでないですし、漫画の存在もこのマンバ通信の記事で知りました。掲載順としては花岡ちゃんがまだ脇役キャラとして出ていた回を経て、主役に躍り出るって相当人気があったことの証明ですね(読者人気を受けて主役にしたのか作者の独断かはわかりませんが)。恋愛に縁がないキャラなのかと思いきや、偶然であった男性と急接近します。しますけど、その距離感がまたなかなか見ないタイプのやつで面白いんです。そしてその相手の男性も、美男子ではありますがこれまたりぼんヒロインの相手としてはなかなか癖の強い…(笑) 当時のことを振り返るあとがき漫画も読み応えがあって内容も面白かったです。 今の作者が描く「花岡数子」をぜひ読んでみたいものです。