※ネタバレを含むクチコミです。
仕事を辞め、1人寂しく余生を送っていた60歳の男性・和賀鱗太郎は、唯一の家族である飼い猫が家の外に出ていくのを追いかけるうちにある神社に迷い込みます。 そこで彼は足を滑らせて境内にある池に落ちてしまうのですが、彼のことを助けたのは、40年前に死んだはずの鱗太郎のたった1人の親友・支倉紫陽(はせくら しょう)でした。 そんな導入から始まる第1話は読み切りとして非常に完成されていて(過去に同名の読み切りが発表されてますがそれとは別の世界線の物語のようです)、若くして亡くなってしまった紫陽に対する鱗太郎の思いや、そんな2人の40年の時と生死の境を超えた再会に胸を打たれる、そんな内容になっています。 そしてそんな第1話の最後にその後の物語へと繋がるキーワードが登場し、そのキーワードに関わる謎を紐解きながら、2人が40年ぶりに共に過ごす日常を描いていきます。 2人が過ごす奇跡のような時間はどんな些細な出来事もかけがえのないものに映る、読んでいると温かい気持ちになれる作品です。マンバではボーイズラブに分類されていますが、どんな人が読んでも心に刺さるような内容だと思います。 余談ですが個人的にはアジサイ(紫陽花)から花の字を取った「紫陽」を「しょう」と読ませるネーミングセンスはすごく好きです。 1巻まで読了
恋人の姫宮と2人暮らしをしている30歳のサラリーマン・窪田旺志郎の元に、2人の子供・楽夢(らむ)と真理央(まりお)を連れた6つ上の姉が突然現れます。 たまたま姫宮は夜勤の日で、姉の言うままに3人を泊めることになる窪田。 しかし次の日、窪田が目を覚ましたときには姉の姿はなく、楽夢は彼女が自分たちを捨てて出ていったのだと言います。 このような経緯で、突然一緒に暮らすこととなった窪田とその恋人の姫宮、そして楽夢と真理央の姉弟を描く作品です。 楽夢は母親が自分たちをいつか捨てるだろうと思っていたようですが、真理央のほうはまだ幼く、母親がいなくなった事実を理解できていません。 また、窪田と姫宮のカップルも実はある秘密を抱えていて、4人の突然の同居生活を描く過程で、それぞれが抱えている問題が少しずつあぶり出されていきます。 まずは窪田の抱える心の傷、そして姫宮との秘密が描かれている1話を読んで物語の雰囲気を知ってもらいたい作品です。 1巻まで読了
読んでいてなんとなく「もしや…?」と思って調べたらやはりBLも描かれている作家さんでした。この設定でBL描いたらめちゃくちゃ良さそうだなと思いながら読みました。堅物とネアカの組み合わせ好きなので…今まで描かれた作品も読んでみたいですね。 40年に一度しか咲かない花、ニューサイランのことか、それをモデルにしているようです。その花が咲くかどうかの勝負をしていた矢先に亡くなってしまった親友が、その勝負の決着をつけるために亡くなった当時の20歳の姿で主人公の元へ戻ってくるのですが、戻ってきたのは勝負のためだけじゃないということが最後にわかります。
※ネタバレを含むクチコミです。