個人的に序盤の昭和50年代に描かれた話が、絵柄がポップで白黒はっきりしていて特に好きです。 耽美でホラーで……不思議と今読んでも全く古臭さを感じないところがすごい。
クレイジーピエロには最近よく見られる「むしゃくしゃするから誰でも」といった「理不尽」は無い。クレイジーピエロは怒りと憎しみそのものではないかとも思ったりもする。だから自身の行動がもたらす結果といったものには無頓着なのだろう。 クレイジーピエロの生みの親でありかつ一時的に封じ込めた老婆の元を去る際、実際の漫画では無言であるが、自分はこんなセリフを妄想したりした。 「俺達の仲間にピストルの弾を歯で受け止める記述が得意なシルバーがいたよな。彼は面白半分に口にピストルを突っ込まれて殺された。『奴は運が悪かった』なのか。『戦時中だったから仕方が無い』のか。殺されても構わない人間だったのか。」
内容はまさに「クレイジーピエロ」としか言えない内容 「クレイジーピエロ」「クレイジーピエロ 殺人サーカス」「クレイジーピエロの伝説」の3作で成り立っている 勧善懲悪のとか問題の解決とか道理など全くなく、「クレイジーピエロ」があらゆる方法で殺戮をくりかえす。問題を大きくしてより大きな破壊より多くの死をもたらしているだけで救いもほとんどない。あまりにもやばくて敵が発狂するシーンまである このセリフが内容の全てを表していると思う 「俺はクレイジーだからな、そんな道理はわかりゃしないのさ」 併録されている「義眼物語」「顔がない」も素晴らしいのでぜひ読んで欲しい
ある時は、少年の姿で大人も目を背けるような猟奇的な事件を解決する少年探偵。ある時は太平洋戦争のまっただなかでガールフレンドのアッコと面白おかしく事件と解決するこれまた少年探偵。またある時は特別な“能力”を持ち、ご婦人とこの世ならざるものに好かれる美青年…。山高帽と黒い背広をトレードマークに、様々な時代に現れ事件を解決する夢幻魔実也。それが、高橋葉介さんが描く『夢幻紳士』の主人公です。 数多くの「夢幻紳士」シリーズの中でも特に好きなのがこの「夢幻外伝」。このシリーズでは、おそらく昭和初期と思われる時代を舞台に、美青年・夢幻魔実也が遭遇する幻想と怪奇が描かれます。 夢幻魔実也は風貌も含め立居振舞が超然としており、大概の事には動じたりしません。自然と、友人の頼み事や出会い頭の出会いからトラブルに見舞われる、巻き込まれ型の主人公となっております。 「人でなし」という話では、往来で痴話喧嘩をする男女を仲裁するところから、話は始まります。仲裁してしばらく後、スケコマシの男・大古木俊一が、修羅場を演じたのとは別の女と結婚し、その影でさらに別の女が面あてに自殺したことを知ります。自分でも理由がわからないまま、大古木の家に向かった魔実也は、そこで、人でなしを巡る女同士の怖ろしい戦いを目の当たりにします…。 一話一話は読み切り短編となっています。華やかな昭和モダンの風景とその輝きによって一際深くなる闇、そこに生きる夢幻魔実也がとても幻想的に描き出されるのです。 高橋葉介さんが書かれた『帝都物語』では“あの”加藤と共演しているので、そちらも見逃せません。
個人的に序盤の昭和50年代に描かれた話が、絵柄がポップで白黒はっきりしていて特に好きです。 耽美でホラーで……不思議と今読んでも全く古臭さを感じないところがすごい。