社会不適合者で鬱な男・カトー。都会での生活に嫌気がさして、逃げるように向かったのは長野の山であった。山に暮らし、自ら住居を建てることを決意したカトーの孤独な戦いが始まる。たったひとりでの住居建築の過酷さや、極寒の山暮らしの壮絶な日々、山で出会った人々との人間模様などを描く★単行本カバー下画像収録★
父親にはならない。けど、愛してる 小さい頃から父親からの心理的虐待を受けて育ち、そのせいで他者との距離感が取れないまま成長した著者。果ては東北大震災でも被災をうけ、うつ病になってしまう。「自分のような人間が、家族を持つべきではない」 その信条のもと、長い間恋人も作らず、1人山奥にこもって家づくりに励んできたが、ひょんなことからある女性と出会い、お付き合いすることに。その女性は「もっち」という5歳の男の子を育てるシングルマザー。実の父親から虐待を受けて育った男が、突然「父親」的な存在になってしまう。しかし、初めて出会った日「もっち」をとても可愛く愛しく感じてしまい……。父親のこと、自分のことを見つめ直しながら「もっち」と過ごす中で、著者が見つけた答えとは───。【目次】 プロローグ 第1章 マダ見ヌ君トロクデナシ 第2章 未知トノ遭遇乱レル心 第3章 自分ノ気持チト子供ノ気持チ 第4章 君ノ力トボク等ノ立場 第5章 ブツカリ稽古ガ始マルヨ 第6章 男ト女ト親ト子ト 第7章 線ヲ繋ゲルヒトシズク 第8章 家族ト呼バズニ何ト呼ブ 第9章 環境激変孤独ノ戦イ 第10章 君ノ未来トボクノ未来 エピローグ
それでも、生きていくために。虐待、父の死、3.11の被災と故郷の喪失、強烈な自己否定、うつ病……。悩んで悩んで悩みまくった男が辿りついたのは、“しんさい”をきっかけに溢れ出た、己の「膿み」を描くこと。──誰からも必要とされず、社会にとって有益なものを何ひとつ生み出せない、非生産的な自分の存在が、とても情けなく許せなかった。情けないという思いに、ボクは幾度となく涙を流した──(本文より)。