老齢の越後守護代・長尾為景(ながお・ためかげ)と、若く美しい妻・袈裟(けさ)の間に生まれた男児・虎千代(とらちよ)。子供らしからぬ胆力、鋭い眼力をもつ虎千代こそ、後に軍神と謳われた上杉謙信(うえすぎ・けんしん)その人であった!虎千代の父である為景は、顔つきが自分に似ていないこと、袈裟が嫁いでから懐妊するまでの期間が短いことなどから「あの子は俺の子ではないかもしれんな」と疑心に捉われていた。そして、この疑心は虎千代が武将として優秀に育てば育つほど為景の心中に暗雲を呼ぶ……。親子兄弟が殺し合う下剋上の戦国時代において、義を貫き通した上杉謙信の物語が今はじまる!