山川ちはるは二人の娘と夫との4人暮らしの平凡な主婦。夫は家庭に興味を示さず、毎日小さな淋しさを背負う…。たまらなく淋しい時間があり、静かな喜びに浸る時間がある――。平凡な日常の中で生まれる様々な思いをやまだ紫が繊細に描いた不朽の名作。
夫婦が長く平和に―という望みは「ささやか」な望みなんかじゃなかった―。結婚して10年、2人の子供たちとの平和な家庭で起きるごく日常的なできごと。ささやかな安寧をもとめての日々がなにごとも起きるわけではなく、少しずつ崩れていく…。脆く淡い女と男の絆と家庭という場所のあやふやさを鋭い感性で描きだす。「性悪猫」とならぶ、女性マンガの先駆者であり先頃急逝した著者の代表作。齋藤愼爾氏の解説付。