ハーフのコーヤはイギリスから5年ぶりに来日した新鋭バンド、ミラー・ピープルのヴォーカリスト。到着したばかりだと言うのにスケジュールは予定でびっしり、しかしコーヤの頭の中は行方不明の彼女の事でいっぱいだった。マネ-ジャーの元から脱走し、日本に住んでいた頃とはすっかり変わってしまった街を歩く。店でクロスの首飾りに手を伸ばした時、見知らぬ若い女と取り合いになった。コーヤが女の腕を掴むと、女は腕のブレスレットをかばって走り去るのだけど…?
生まれつき手首に星型の痣を持っている花良(から)。彼女には頻繁に見る悲しい悪夢がある。きつく手を結び、ふたつの手首の”しるし”から血を流して沈んで行く男女。この手の温かさを、もう一度感じる事が出来るなら…。目覚めると深い絶望感。手首の痣が痛い。そんなある日、花良は街で一人の男と出会い、その刹那―― 「隆!」口から付いて出た名前。「葉子!」男が花良を呼ぶ。二人は強く抱き合い、同時に花良は気を失った。この出会いが意味するものとは…?!
同棲していた彼氏と喧嘩別れして、友人に紹介されてやって来た家賃激安のこの洋館。だけどもここの住人は、なんでこうもクセモノ揃いなの?! 自分の事しか考えてない口の悪いバンド野郎で大家の上村葵に、超おっとり外国人絵描きのJ、美人で自信過剰なファッションデザイナーのエリザ。ジュエリーデザイナーを志す渡部美月は、このクセモノどもに、特に自分勝手で常識はずれな葵に引っ掻き回されて、なんどもこの洋館を出て行こうとするのだけれど…?
別れ話の最中、彼の運転する車がバイクに衝突しかけた。バイクの男は文句を言いかけたが、助手席の青子(しょうこ)を見るなり黙って走り去って行った。忘れもしないフルフェイス越しのあの瞳、間違いない。2度と会えないと思っていた。4ヶ月しか通わなかった通学路で、あの人はいつも笑顔でバイクをいじっていた。。青子がお嬢様学校で、あの人が町の不良少年。青子の中で、未完成に終わった15の夏が、今、再び動き始める…。
加納奏(かなえ)16歳。両親が死に、子供たちだけになった5男1女の6人兄弟の5番目にして長女。大人の男から天才美少年まで、超個性的なイケメン兄弟に囲まれた生活を友人達は羨ましがるけど、奏にとっては血の繋がった兄弟、恋愛対称になる訳もない。だけども奏とワイルド系の4男・森(しん)は、校内でも噂のブラコン&シスコン兄妹。当の奏も、最近森とキスする夢を見るようになり悩んでいた。そんなある日、奏がラブレターを貰ったと聞いた森は荒れて…?