夢をみせてくれる街ラスベガス。休暇で訪れたエヴァは、そこで美しい瞳の素敵な男性ニックと知りあう。出会いに運命を感じたふたりは、情熱的な一夜を過ごす。しかし名家の生まれであるエヴァは、それ以上深入りすることなどできるはずもなく、何も言わずニックの前から姿を消す。それから2か月、体調の変化で自分が妊娠していることを知ったエヴァは、お腹の子どもを守るため、ニックに期間限定の偽りの結婚を申し出る。彼への本当の想いを胸にそっと秘めて…。
若手絵師・良介が旅路で出会ったのは、望まぬ結婚をさせられる花嫁の秋本華江。とある旧家に嫁ぐことで、一族にかけられた「呪い」が解けるという。結婚を嫌がる華江は謎の手紙を良介に託すのだったが、そこには一族のある秘密が隠されていて…。果たして呪いの真相とは? さすらいの絵師が妖の世界を暴き描いていく「絵師奇譚記」シリーズをはじめ、忌まわしい血のつながりが呼んだ悲恋「累が淵恋慕」、身分違いの許されざる愛「花いちもんめ」など、呪われた因縁の中でつむぐ恋人たちの純愛を描いた6つの物語。
昭和初期、自由に恋愛が出来なかった時代。名家の令嬢・麗子は労働運動家の教師・高岡と出会い恋に落ちる。しかし、身分の違う二人の仲が認められるはずもなく、麗子の父の密告で高岡は特高警察に追われる身に。それでも諦めない麗子は、ついに高岡を探し出し、家族を捨てて愛に生きることを決断するのだったが…。許されざる身分違いの愛を描いた「天国に結ぶ恋」、関東大震災の中で芸者と良家の家族が紡ぐ絆「命たゆらん」、坂本龍馬の妻・おりょうなど、時代に翻弄されながらもひたむきに愛に生きた女たちの物語。
「夫のモノを切ってきました」突如警察に出頭した女が持っていたのは、切り取られた男性器だった…!妻子ある平山の愛人として尽くしてきた美代。ある日、別に若い愛人がいることを知り責め立てるが、平山は所詮お前は妾だと相手にしなかった。「許せない!あなたはあたしだけのもの」そして女は狂気に駆られるまま包丁で男の性器を――。昭和初期、日本を震撼させた阿部定事件を下敷きに描く愛憎劇「愛欲の果て」、男同士の恋愛関係のもつれが首切り殺人に至る「心の迷宮」、愛する夫にチフス菌入りの毒饅頭を食べさせた妻「プライド」など、純粋過ぎた愛が引き起こした事件の真相とは!?
ロシアがソ連と呼ばれた時代。ナチスドイツとの激しい戦争を繰り広げる最中、戦闘機に乗って戦う一人の女兵士がいた。リリーは男にも引けを取らない腕で次々とドイツ機を撃墜。上官のローシャの窮地を救い、厚い信頼を得る。いつしか二人は恋に落ち、戦争が終わったら幸せな家庭を作ろうと約束するのだったが…。戦場で明日をも知れない命を懸けて愛に生きようとする恋人たちの物語「スターリングラードの白薔薇」をはじめ、引き裂かれた東西ドイツに生きる恋人たちの悲劇「国境の街」、独裁者とその愛人の最期を描いた「ヒトラーの妻」など全6編を収録。「戦争さえなければ――」ロシアによるウクライナ侵攻、トルコ紛争、シリア内戦……未だ戦火が絶えない現代に贈る愛と平和のメッセージ。
「ねえ、もっと私を見てよ…!」異常な承認欲求は人を狂わせる!? コールセンター勤めの派遣社員・村山咲恵は、地味で暗い自分に自信がなく会話をすることすらままならない。そんな咲恵は上司の広田に片思いをしているが、彼が夢中なのは咲恵の同僚・林久美の“ライブ配信”…。(なんで主任に見てもらえるの?ライブ配信って?) 嫉妬と興味をきっかけに『むらさき』の名でライブ配信を始めた咲恵は、リスナー達との交流に多幸感を覚え、ズブズブとその沼にはまっていく。やがて、配信を見てもらうためにとうとう●●の話題をし始め――!? ライブ配信を使い、あの手この手で底のない欲求を満たそうとするヤバイ女たちの物語…!!
「ほら『いいね』がこんなにたくさん!みんなが私を見てる!」――貴女の隣にいるかもしれない、SNSにハマり承認欲求に支配された女たち! ネット上で嵐のようなトラブルを巻き起こす彼女たちのいき過ぎた行動とは!? ※この作品は「わたし、映えてる?~SNSの痛い女」(1)~(7)の合本版です。※「#ネットストーカー女」編、「#匂わせ女」編が収録されています。
愛した恋人を事故で亡くしたアリッサは、追悼式に参列するため、イタリアの事故現場を訪れていたた。しかし、恋人の死以上に彼女を苦しめたのは、彼が別の女性とともにこの世を去った事実だった。ふと、立ち尽くす彼女の耳を撫でるイタリア語に振り返ると、そこには漆黒の髪に冷淡で鋭い、まるですべてを拒絶しているような瞳をした男性が立っていた。ドラーゴ・ディ・ルーカ。恋人の裏切りと死で深く傷ついたアリッサに手を差し伸べてきた、彼の正体とは…!?
ルーシーは今、かつて結婚生活を送っていた夫リカルドの豪奢な屋敷に戻ってきた。許されるならどんな罰も受ける覚悟で。そう、誰にも言えない理由で、彼女は最愛の夫と幼い我が子を残して家を出たのだ。簡単に許されるとは思っていない。でも、どうしても我が子に、夫に会いたい。その一心でルーシーは厳重に警備された屋敷にそっと近づいた。しかし切なさのあまり、うっかり物音を立ててしまい、ルーシーはすぐに冷たい夫の視線と向きあうことになり…。
美しいイタリア人実業家の夫レオ、かわいい息子と娘――ブルックは絵に描いたように幸せな結婚生活を送っているはずだった。けれど、偶然義父母の衝撃的な会話を耳にしてしまう。レオは、かつて婚約していたフランチェスカを実の兄に奪われたのだという。信じたくない…夫が私ではなくずっと兄嫁を愛していたなんて。義兄亡き今、フランチェスカを慰めるためと言い訳して、レオは兄嫁の家を今夜も訪れている。私はこのまま見て見ぬふりをしなければいけないの?