「ごめんよ結婚できなくて」妹が結婚の話を進めているというのに、わたしは社内不倫をしている。この関係を正しいと思っているわけじゃないけど、彼のことを好きなんだから仕方ないじゃないって思ってた。そんな中、部屋を整理していると出てきた一枚の古い写真。映っていたのは母ではない女性。妹はこの女性に見覚えがあるという。まさか、お父さんも不倫していたの……?
「それって愛人ってことだろ」愛した人には中学生の息子がいた。恋人の関係になったのは誓って彼の奥様が亡くなってからだけど、息子である誠くんにはなかなかわかってもらえない。彼と誠くんには血のつながりがあるけれど、わたしは他人なんだ。わたしと誠くんの問題は、わたし自身が何とかしなければ……! 愛した人と一緒になるだけじゃダメなこの結婚、いったいどうなるの!?
「私、あなたのファンよ。だからどこが痛いかもわかっているのよ」小説家の小沢の前に現れたのは、帰国子女で大学生の詩人・榎香名子。セレモニーで香名子と一緒になった小沢は、彼女をベッドへと誘う。今夜が初対面のはずの彼女は、なぜか小沢のことをよく知っていた。来月が小沢の誕生日であることも、母親が8歳の時に出て行ったことも。「ファンだから」と彼女はいうが、母親の名前も知られていて――?
「男のヒトってずるいのね」フィギュアスケートのオリンピック候補・万里子は、同じくスケーターである一角京輔と恋人関係にある。恋も演目も順調だったある日、万里子の前にひとりの女性が現れる。京輔と親しげにしゃべり、過去を知る女の登場と同じくして、彼と連絡がつかなくなってしまった。彼を心配するあまり、万里子は演目にも力が入らなくなってしまい――?
友人の結婚式で、初恋の相手にばったり再会!? 学生の頃は彼の姿を目で追うだけだったけど、彼もわたしも大人になって、カラオケ行ってお酒を飲んで、駆け引きみたいな会話しちゃって……。わたしは一生懸命彼の姿を追っていた、純粋な制服の少女とはもう違う。相手の手応えをさぐりながらいやらしい話題にだって応えられる、“女”になってしまったのだ――
砂糖のような真っ白の雪が積もる街の喫茶店で出会った彼は、泊まる場所がなく困っていた私に部屋を貸してくれた。空き部屋だといわれて入った部屋には、女性向けのシルエットの家具がたくさん。これって女の部屋だわ…。彼の近くに女性の影は見えないようだけど、いったい誰がここを使っていたの……? 雪が降り積もる街で始まる、スキーヤーの彼とのラブロマンス!――表題作の他『命がけの通勤、狙われる私!?』『夜に溶けたい 母子の愛と彼女のカラダ』を収録しています。重複購入にご注意ください。