どうしてそんなに私を見るの? 図書館員のホリーは、新任の書架係クレイグの熱い視線にとまどっていた。彼ほどハンサムなら女性に不自由しないだろうに。思いあまって理由を尋ねると、交通事故で記憶を失ってしまったにもかかわらず、ホリーには不思議な既視感を覚えるという。同情心も含め、彼の寂しげな瞳に惹かれそうになるホリーだが、その想いは胸の奥に閉じ込めた。彼女もまた深い闇を心に抱えている上、クレイグにだけは惹かれてはならない理由があったのだ。
郵便配達人のシェリーは、毎日集まってくる“セクシー博士”宛ての妙に色っぽい郵便物が気になってしかたがなかった。“セクシー博士”ってどんな人?ぜひ1度会ってみたい。そしてチャンスは訪れた。しかし現れたのは、ぼさぼさの髪、ひびの入った眼鏡、くたびれたTシャツ姿の男性。しかもご近所では変人と呼ばれているらしい。このさえない人のどこがセクシーなの?でも純情で誠実そう。それにどこか寂しそうだわ。シェリーはその男性が気になりだした。