14歳のジルはセントメリー女学院の成績優秀の優等生だけど、素行不良の問題児。幼馴染のエースに惚れられてるけど、彼女は今、女教師のアリシア先生に夢中。アリシア先生は美しく、優しく、熱心で、最も自由な考えを持ち、ジルのアリシア先生への想いは憧れを通り越して恋愛感情に近いものがあった。そんな中、ジルの親友のマージとキャスリンが、揃ってジルの兄・グレアムに恋してしまって…。
したいことを百も抱えて、フランスへ行ってしまった杉生ちゃん。幼馴染の彼からは、お便りも来ない、電話も来ない。お人形作りが趣味のツグミは、遠く離れた杉生ちゃんに夢中。そんな杉生ちゃんが、ある日突然帰国してきて、ツグミの恋多き親友の夏子が、よりにもよって杉生ちゃんに惚れてしまった。ツグミはすっかり舞い上がり、夏子を応援してしまうのだけれど…?
リコが帰ってきた。私の妹を暴行したあの男が…。5年前ダニエルの母が事故で亡くなったとき、全力で支えてくれてたリコ。そんな彼に彼女は密かに想いを寄せていた。あの事件が起きるまでは…。困惑するダニエルにリコは告げる。「失われた名誉を復権したい、ぼくの持ち株の返却とCEOの座を要求する」わけのわからないダニエルが父親に問い質すと、なんと妹が供述を変えたのだという。そんな、あれは冤罪だったというの!? リコの復讐劇の幕が上がろうとしていた。
ディア、鳴海宋先輩。もう卒業してしまうあなた。明日こそわたし、この気持ち伝えます。入学してから1年の間思い続けた日々を、わたしの焼いたストロベリーパイに託して…。 ついに来た運命のバレンタイン・デイ。でも花奈は知らない。鳴海先輩に渡すはずの綺麗にラッピングされたパイが、弟のせいで箱の中でグシャグシャになってるなんて事なんて!? 表題の中編他、短編2本も収録。
はるかはバレエの猛練習中。それもこれも、元を辿ればはるかを「石頭のプリマハム」とバカにした見知らぬ男の子を見返したいがため。6歳の頃、母とバレエの公演を観た帰り、はるかは白鳥の湖を真似て柱に頭を打ちつけ、見知らぬ男の子に笑われ悔しい思いをしたのだ。時は経ち、はるかは所属するバレエ団で、ソロを任されるまでになっていた。しかし同じバレエ団には、2人の男の子が親友兼恋敵として、はるかとバレエを巡って競い合っていて…?
瑠璃はブラコン女子大生。兄の柊一と血は繋がってないけれど、いや、むしろ血が繋がってないからこそ、柊一に恋愛感情に近い気持ちを抱いている。柊一が部屋を借りて家を出て行く事になったのだけど、部屋のスペア・キーを受け取った瑠璃は、ちょっぴり新婚さん気分で張り切っている。だけども柊一の部屋の近所には、柊一と同じ会社の先輩女性が住んでいた。瑠璃は2人の仲が気になって仕方がないのだけれど…? 全4本の短編を収録。
涼やかな眼差し、さらさらと肩から落ちる柔らかな髪。バレンタイン直前に転校してきた雪村ルイに、女子と言う女子はみんな夢中。ただ一人、石津美耶を除いてね。美耶には美耶の中だけの王子様がいて、彼女は絵本作家の尾高明に憧れている。でも、遅刻寸前で飛び込んだ全校集会で、美耶の小鳥の巣みたいなくしゃくしゃお下げ髪が、ルイのピンに絡まって2人が急接近! 美耶にはルイが王子様とダブって見えてしまって…!? 表題の中編の他、短編3本も収録。
期待の新星、鮮やかにフィニッシュ! 日向真琴は王倫高校体操部のホープ。優勝を真琴にさらわれたライバル校の五月は、真琴にリベンジを誓い不機嫌に会場を後にした。試合後、真琴のクラスに一人の転校生がやって来た。彼の名は威実(たけみ)。前の学校で暴力事件を起こしたって噂の、ちょっと近寄りがたい男の子。だけども体育の授業で素晴らしい鉄棒の演技を披露した威実に、真琴は心惹かれて行く。
あいつぐ父の転勤の後、5年前まで住んでいたこの町に戻ってきた草介。幼馴染のヨリコは相変わらず世話好きで、5年前と変わらぬ明るい笑顔を草介に向ける。ヨリコは草介に恋していた。でも、草介にとってヨリコは「初恋の人の妹」。みずえは今でも憧れの人で、ヨリコと正反対の落ち着いたお姉さん。しかし彫刻家志望のみずえは、落ち込むと昼間から酒を飲むようになっていた。草介はみずえの身に何があったのか気になるのだけど…? はやさかあみいの短編集。
失踪中のピエールが屋敷に帰って来た。クラシックカーで冒険旅行を気取っていたのだ。怒った父は、「留年したら会社は継がさない」とピエールに告げる。ピエールにときたら、既に落第スレスレなのに、女友達が99人もいて、誘惑だらけで勉強どころではない。だから、ピエールの妹分のメイドのリリィが、ピエールの監視役を買って出たのだけど、リリィはピエールに恋していて…。表題作のメイドとぼっちゃんの恋愛モノ他、全4本の短編作品集。
ヴァイオラはシンプソン財閥の孫娘。世界的バイオリニストの父と、財閥令嬢の母と言う、恵まれた家庭に生まれたが、ヴァイオラの心は決して豊かではなかった。母はスキャンダルまみれで家はメチャクチャ。その母が三ヶ月も前から失踪し、マスコミの矛先がヴァイオラに向けられた。しかし、振る舞いが派手なあの母が、三ヶ月も人目に付かずにいるなんて不自然だ。そう考えながらも、父の名声に傷が付く事を怖れ、ヴァイオラは警察に捜索願を出さずにいたのだが…?
ロンドンの出版社で働いているジェンマは、キャリアの階段を上り続けていた。まもなく昇進できると信じていたある日、会社が買収されることになった。新しい編集長を迎えるというがもっぱらの噂だ。そんな時、目の前に現れた魅力的な男性の顔を見てジェンマは凍りついた。どうしてマーカスがここに!? 数年前、最高の日々を過ごし心から愛した男性。しかしある出来事をきっかけに、ジェンマは彼から身をひいたのだ。さらに大きな秘密があることを彼に告げないまま。
ギリシア名門一族のレオンに恋していたエマ。けれどレオンが別の女性と婚約を発表し、エマの心は無惨にひき裂かれた。彼がくれた濃密な愛の時間は、すべて偽りだったのだ。傷ついたエマを支えたのは、レオンの弟タキだった。プロポーズされ、求められるまま彼の妻となるが幸せは訪れなかった。やがて夫は強盗に襲われて命を落とす。その時エマは思いもしなかった。直後に一族の銀行の不正が発覚し、無実の罪でレオンから永遠に忘れられないと蔑みと罰を受けるとは…!
不思議な能力をもつグローリーは、ある吹雪の夜、1人の男性ワイアットの命を救った。透視や予言ができるグローリ-は、その能力のせいで世間から気味悪がられていたけれど、家族の愛に守られて幸せな日々を送っていた。それが突然、何者かによる放火で家族も家も失ってしまった。恐怖と孤独の極限で、グローリーはワイアットに<距離>を超えて救いを求めた。あの事故以来、会うこともなかった人なのに、なぜか彼が自分を助けてくれると確信できたから。
突然父が倒れて会社経営をまかされたギニー。でも大学を卒業したての彼女には荷が重く、さっそくトラブルを起こしてしまう。怒りをあらわに、父の友人と名乗る美しいギリシャ人男性がギニーのもとにやって来たのだ! しかし彼は何を思ったか、「食事をしながら仕事の相談をしよう」と言い出した。断ればきっと取引きを中止されてしまうわ。会社と父のために仕方なくギニーが誘いを受けると、彼は巧みなリードで抵抗できないギニーに甘いキスを落として…。
たったひとりの肉親である父を亡くしたキンバリー。ほかに身よりもなく、婚約者にもフラれたばかりの彼女にとって、もはや唯一心の拠り所は生まれ育った家、ブランコートだけだった。ところが父の遺言により、5か月以内に結婚しなければ、愛するブランコートの相続権を失うというのだ!困り果てた彼女は、知りあったばかりの売れない役者、スレイドの生活のめんどうをみる代わりに愛のない結婚をもちかけようとする。だが、実はスレイドの正体は…?
ジリアンは窮地に陥っていた。おじの遺言で、警察署長のセオドアと結婚しなければ、今住んでいる牧場を手放さねばならないのだ。子供の頃から知っている彼のことは好きだけれど、恋人同士という関係を飛び越していきなり結婚なんて…。実は21歳だというのに、ジリアンは男性とつきあった経験がなかった。それに彼女には、かつておじの雇い人に襲われかけたいまわしい過去があった。男性に心の底から恐怖する私が、本当に花嫁になれる日なんて来るのかしら…。
夫のアントニオのもとを去り、別居から5年。前を向いて生きていくために、クレアはついに離婚を決意した。若かりし頃、クレアの思わぬ妊娠によって結婚したふたりだったが、その子供を死産して以来、ふたりの仲は冷えきり、結婚生活はわずか1年しか続かなかった。弁護士を通した離婚の申し立てにアントニオは応じず、直接会って話しあいしたいと要求してきた。クレアはしぶしぶそれを受けるが、アントニオの口から、思いもよらぬ離婚の条件を提示され!?
元有名サッカー選手、現在はスポーツマネージメント社の社長、女性たちの理想の男性としても高名なライアン。そしてクライアントの彼のオフィスを週に1度訪れる地味な弁護士ローラ。プレイボーイとお堅い弁護士の人生が交わることはないはず、だった。ローラが病床の祖母に「運命の男性に出会った」と嘘をつかなければ。「では僕がその運命の男性を演じてあげよう」――ローラは彼の提案に愕然とした。本当は、彼を男性として意識していることを気づかれているの!?
高級スキーリゾート地でシェフ兼ロッジガールとして働くルーシーは、彼女の前に現れた、驚くほどハンサムで圧倒的な存在感をもつ「匿名」のゲストに強く惹かれた。そして彼の甘い誘惑にゲストとロッジガールの一線を越え、ひとときの恋に酔いしれてしまう。だが、別れの言葉もなく彼は突然姿を消した。何万ユーロもの現金と1枚の名刺を残して…。彼の正体が“闇より深く、はるかに危険”と謳われるシークとも知らずに、ルーシーは砂漠の国へとあとを追うが……。
下宿屋を営むペイシェンスは、由緒ある銀行の頭取ジェームズに会うため彼の元へ赴いた。下宿人のジェームズの母が病気なのだ。必死に説得をするが、彼は母親との対面を拒否。冷たい態度の裏には何か原因があると感じとったペイシェンス。彼女は深い愛情をもって、氷のような彼の心に近づこうとするが――。
3年前に夫を亡くし、英国で幼い息子と暮らす調理師ニコラ。夕食を任されて訪れた家で、一人の男性客の刺すような視線に胸騒ぎを覚える。翌日不安は的中し、再び現れた男・亡き夫のいとこドメニコは、名家の血を引くニコラの息子を後継者として連れ戻しに来たという。不安を抱えてイタリアヘ向かうニコラだが!?
「外の世界を経験し、一生修道院で暮らすのか、他の道を生きるのか。あなた自身で選びなさい」。修道院で育ったアイリスは院長先生の言葉を受けて、ギリシア人の実業家ゾナーの息子の家庭教師になる。自由な外の世界でも禁欲的な生活を守ろうとするアイリスだが、男性的なゾナーの魅力に心が惹きつけられて…!
ひと夏の間、少年の世話を頼まれたベビーシッターのテッサ。トラベル・ライターの父親マークは全てを自分の思いどおりにする男。その強引なやり方に反発を覚えながらも、急速に惹かれるテッサ。そして彼も…。そんな中、前妻が養育権を巡って訴訟を起こす。子供を守る為とはいえ、結婚を迫られたテッサは!?