秘書のジェンマは、取引き先であるギリシャ人レオン・ステファーデスに会ったとたん思わず目を奪われ、微笑みに心臓が破裂しそうになった。だめよ、彼は両親やボスと同じ人種。縛られるのが嫌いな、恋多き独身主義者だわ。しかし、ジェンマの熱い視線に気がついたのかレオンは彼女をひきよせて甘くささやいた。「いっさいの条件も約束もなしだ。ただし、終わりがくるまで僕は君だけの男になる」自分勝手な条件に憤りながらも、ジェンマはされるがままキスをされて!?
「金持ちの男が必要なら、僕にしておきなさい」元恋人アントンの嘲りを含んだ申し出は、気高いクリスティーナのプライドを粉々に打ち砕いた。経営難に陥っていたクリスティーナは出資者を求めてパーティーに来ていた。そこへ世界的に有名な銀行の頭取となったアントンが現れ、彼女に蔑みの情けをかけたのだ。これはアントンの復讐だ。クリスティーナの脳裏に6年前、彼に浴びせた辛辣な言葉が蘇る。最愛の恋人を傷つけてまで別れなければならなかった事情も…。
結婚式当日、花婿ピエーズに他に好きな人がいると言われ、捨てられたシャーン。そんな彼女の前にピエーズの兄レイフが突如現れ、花婿は自分だと言いはじめた。女性の憧れの的ダンバーズ財団総帥のハンサムな大富豪が自分の弟の元婚約者の私を花嫁に!? 彼は弟の駆け落ち騒動を隠ぺいし、家の面目を保つことができるのならば愛のない結婚をしてもかまわないと言った。冷たいまなざしで私を見つめ、捨てられた花嫁と笑われたくなければ僕と結婚するしかないと迫ってきて…。
ジャンカルロは、義兄が経営する会社の重役用ルームに入ると、若く美しい赤毛の女性に目を止めた。あれが社長秘書のナタリア・デイトン――義兄の愛人ともっぱらの噂で、僕の姉を苦しめている女か。一方、ナタリアは自分をじっと見据えているジャンカルロの視線に怯えていた。彼は誤解しているわ。私は彼の義兄の愛人ではないもの。でも、それを口に出せない理由があるのよ――ジャンカルロは決めた。金を渡すより愉しい方法で、彼女を問い詰めてやろうと。
太陽神ヘーリオスのようだわ…。それが、女優のジェシカが天才カメラマンのアレクに抱いた印象だった。それほど彼は圧倒的な存在感を放っていた。ジェシカはデートに誘われたが、休暇を理由に1度断った。けれど、休暇中も彼のことばかり考えてしまう。私…恋してる。彼の強烈な魅力に惹かれていく自分を止めることは、もはや不可能だった。生まれる前から互いの一部だったような感覚を共有するふたり。だからこの絆がひき裂かれる日が来るなんて夢にも思わなかった…。
両親を事故で失い、働いて弟を養うアンジー。ある日スカウトされ、一躍トップモデルとなった彼女は若き金融王ロークに見初められ、結婚することに。しかし、彼が独身前と変わらずゴシップ誌を騒がすことに耐えきれず、家を飛び出す。1年後、弟がロークのカードを使いこみ、株で莫大な損失を出してしまう。アンジーは少しずつでもお金を返すと話すと、彼は強引に彼女の唇を奪い、言った。「弟を逮捕させない条件はただひとつ。君が僕のもとに帰ってくることだ」
20歳になったミアは、伯母から実の父親がイギリスの大富豪オスカー・バルフォアだと知らされた。バルフォア家に身を寄せたミアに、上流階級の人々は冷たかった。父は娘の行く末を案じ、教育係としてギリシア人の富豪ニコスを指名する。しかしなぜかニコスはミアにつらく当たるばかり。ひどい仕打ちに耐えかねてミアがついに不満を爆発させると、ニコスはいきなり彼女の首筋をとらえ、息がかかるほど顔を寄せ、思わせぶりな熱いまなざしで射抜くように見つめてきて…!?
イザベルは実業家の夫、レアンドロスとの結婚を終わらせるべく弁護士とともに車を走らせていた。3年前に家を飛び出して以来、なんの音沙汰もなかったのに、突然連絡をよこしたと思ったら離婚の手続きについてだなんて…。慰謝料なんていらないから、早く離婚を成立させましょう。そう言いに話しあいに向かったのに、夫の様子はどこかおかしくて…? 4回にわたってお届けしてきたシリーズも、ついに完結。あのカップルも再登場します!
ラーマン国際銀行ロンドン・オフィスの最上階で、頭取代行のシーク・ラフィク・アル・カディムは机に新聞を叩きつけた。一面には自分のセックスフレンドが他の男と結婚するというゴシップ記事が載っている。やはり女は裏切る生き物なんだ!8年前に最愛の女性に裏切られて以来、ラフィクは女性に期待するのをやめた。信じたところで自分が傷つくだけ…。その時扉が開いた。そこには8年前に別れたときから会っていないメラニーの姿があった。今さら何をしに来たんだ? ぼくをまただまそうというのか?
レクシーは事故のテレビ映像に衝撃を受けた。高速のボートレースで船が宙に舞った。別居中の夫フランコのボートだ。病院へと向かったレクシーは、医療機器につながれた彼の姿に凍りついた。離婚手続き中の夫の痛々しい姿…。こみあげる彼への愛憎がレクシーを混乱させる。さらに彼は話しあいを望んでいた。どうして今さら? 心から愛しあっていると思っていたあなたが、女性とベッドで肌も露わに写る写真を見たときに、私たちの関係は終わったはずなのに。