クリスマス・シーズンで賑わうロンドンの高級百貨店でアルバイト店員として働くキャシー。とびきりゴージャスな男性客にキャンドルを勧めると、彼は半ダースも買ってくれた。その上、ジャンカルロと名乗った彼に夕食を誘われた。慌てて断ったが、彼がキャンドルを忘れてしまったので、キャシーが届けることに。彼の家に向かうと、待っていたのはセクシーな彼とロマンティックなディナー。イギリスの田舎で育ったキャシーは夢見心地で酔いしれてしまうけど…!?
大富豪の娘として何不自由なく暮らすカットは、父から勧められた地中海クルーズの旅に出かけようと豪華な船に乗りこんだ。ところが彼女を待っていたのは、従業員用の小さな船室と、乗組員の食事の世話や掃除という労働。しかも船のオーナーは、慈善舞踏会の夜に出会い、彼女を軽蔑とともに拒絶した男性――実業家で元闘牛士のカルロスだった!そのうえこの旅は、娘の自立を願う父のさしがねだという。カルロスにこき使われ、再び屈辱を味わわされるなんて……。
魔法にかけられてしまったのかしら――そう思うほどに、彼は魅力的だ。ロンドンの雑誌社で働くキャサリンは、失恋の傷を癒すためギリシアの島に旅行に来ていた。そこで出会ったのは、海より深いブルーの瞳のハンサムなフィン。強く惹かれあったふたりは、つかの間の休暇を情熱的に過ごして別れた。だが帰国後、フィンが実は有名な実業家だったことがわかり、編集長命令でキャサリンは彼に取材することになってしまう。もう2度と会うことはないと思っていたのに!
まさか彼がプリンスだなんて!――キャシーが客室係として働くホテルが、プリンス・ザビエロの宿泊先に選ばれた。そこで、ホテルも改装することになり、すばらしくハンサムな塗装業者が下調べにやって来た。キャシーはひと目で惹かれ、彼のただならぬ魅力に逆らえず、誘われるがままキスをしてしまう。だが、その塗装業者こそがプリンス・ザビエロだったのだ!愕然とするキャシーだが、ザビエロはさらに彼女をお世話係に指名する。いったい彼は何を考えているの!?
ロキシーはかつて人気シンガーだったが父親に財産を使い果たされ、今は場末のバーで歌ったり、清掃員をしたりしながら貧乏暮らしをしている。でもある日、現れたトーチェスター公爵タイタスに言いがかりをつけられた。彼はロキシーが住むアパートメントの家主だと名乗り、ロキシーのような不埒な女性に住んで欲しくない、即刻出ていってほしいと告げたのだ。何か完全な誤解だったが、彼はいっさい聞く耳をもたず、荷物も彼女もまとめて路上へほうり出した!
その仕事の待遇はこの上ないものだった。高給、住居提供…しかもそこはロンドンのオフィスビルの最上階のペントハウス。「シェアするのはキッチンぐらいだから顔を合わすことはめったにないだろう」「は?」…ということは…。かくして社長と秘書のビジネスライクな同居生活が始まったのだが、ある日1本の電話で仕事と生活の場所は一転する。「娘が退学させられた。ひき取って一緒に暮らさなければ…」そして、ふたりが向かったオックスフォードで待っていたのは…。
ウエイトレスのザラはパーティー会場にいた。けれど今夜は華やかなドレスを着て客としてまぎれこんでいる。というのも、親友エマが作ったこのドレスのデザインをデパート王のロシア人男性に売りこむためだ。近づく富豪の名はニコライ・コマロフ。彼を捜していたその時、ニコライ本人から声をかけられた。なんてハンサムなの…。ザラは本来の目的を忘れて彼の魅力に思わず息をのんだ。すると彼は氷のような瞳でザラをじっと見つめ、情熱的に唇を奪ってきて…!?
2年前の夏、プリンス・カジミーロと4日間だけ恋人同士として夢のような時を過ごしたメリッサ。そして今、パーティー・プランナーとして働く彼女は、地中海の王国ザフィリンソスへカジミーロ主催のパーティーをコーディネートするために赴いた。懐かしい彼の姿を見て、彼女の心は揺れた。「あなたと私の間には1歳になる息子がいるので」と、知らせるべきでは?だが、謁見がかなったとき、彼女の耳に聞こえたのは、血も涙もない、驚くほど冷酷な言葉だった!?
ロンドンで生活に追われていたケイトリンは、偶然知りあった砂漠の国のスルタン、ムラトの愛人となった。愛人となったのは、心の奥で彼に惹かれたからだった。何ひとつ不自由のない生活のなかで少しずつ育っていく彼への愛。しかし別の女性との結婚話を聞いたとき、彼女は心の奥にしまっていた愛が崩れていくのを感じていた。そして、ムラトがケイトリンの部屋を訪れたとき、ついに彼女は彼と別れる決意をした。ふたりの仲はこれで終わりのはずだったのだが…。
セレブの集うパーティーで、イヴは声をかけられた。相手は、目もくらむほどの男性的魅力を放つルカ・カーデリ。彼はちっとも変わってない…。10年前、イヴは彼と話したことがあるが、覚えていないようだ。無理もない。垢抜けないティーンエイジャーだった彼女に、彼が夢のようなチケットを恵んでくれただけなのだから。だが、再会後のルカは熱心にイヴを口説いてくる。いくら今、私がアナウンサーとして活躍していても、上流階級の彼と私では住む世界が違うのに…!
「私はあなたの過去に何があったかなんて知らずにあなたに恋したのに…」助産師になりたてのサラは、初めて訪れた新しい職場で信じられないほどセクシーな医師ジェイミーと出会い、一瞬で恋に落ちた。ジェイミーは有能で誠実な医師。彼に積極的にアプローチされ、生まれて初めて愛を知ったサラ。そして純潔を捧げて彼女は幸せいっぱいのはずだった。彼には決して忘れることのできない女性がいて、その女性を彼から奪ったのが、自分の兄だと知るまでは。
ビクトリアは意を決して、別居中のギリシア人の夫アレクシスに電話をかけた。夫とは7年会っていない――浮気を疑われ、罵られたあの日以来。けれど今は自分の心の傷にかまっている場合ではない。離婚していくらか慰謝料をもらい、病に倒れた恩人を助けなければ!するとアレクシスは、離婚に応じてもいいがそれにはビクトリアが自らアテネに来るのが条件だと言い放った。さらに、離婚届とひき替えに1週間自分の愛人として過ごせと屈辱的な要求を突きつけて…。
どうしても会って伝えなければ。7年前、彼の息子を産んだことを――。ギリシアの海運王の名前をニュースで耳にしたローラは、これが最後のチャンスだと感じた。その男コンスタンチンは、かつてローラが恋に落ち、すべてを捧げた男性。だが、彼にとってはただの遊びだった…。その彼が、スーパーモデルと結婚ですって!?ローラはいてもたってもいられず、彼の婚約発表パーティーにウエイトレスとして入りこむが、再会した彼は彼女を冷たくあしらい…!?
アラーナは5年ぶりに彼と再会した。たった6か月だけ、夢のような生活を与えてくれたギリシアの大富豪レオン・アンドレアコス。だが、楽園での暮らしは恐ろしい出来事とともに終わりを迎えた。アラーナは彼に「売女!」とののしられながら彼のもとを去ったのだ。その彼に、黙って産み育てていた息子の存在を知られてしまった!ひきずられるようにギリシアに連れ戻されても、従うしかなくて…。(「愛人の秘密」より。「フィアンセを演じて」も同時収録)
サラは18歳のとき、過ちを犯した。婚約者がありながら、別の男性とキスをした。そしてその時、彼女は自分の気持ちに気づいてしまった…。そして5年後サラはイギリスで有名なデザイナーになっていた。あの砂漠の故国での出来事は、遠い夢のようになっていた。だが、ある日突然、彼女の前に、たくましいがどこか冷たい眼をしたスレイマンが現れた。彼こそ5年前、あのキスをした男だった。彼女はその時彼を愛していると気づいたのだ。しかし彼の目的は、なんと…!!
リリーの住む屋敷が、突然継母によって売却され、すぐに出ていかなければならなくなった。買い手はゴージャスな男性、チーロ。この魅力的な仮面の下は冷酷なビジネスマンというわけね…。けれど、意外にも彼はリリーの引っ越し先に現れ、食事へ誘う。さらには弟の学費を援助すると申し出、プロポーズの言葉も口にした。バージンを捧げた人に裏切られて以来、男性を信じられずにいたけれど、彼なら…。結婚を承諾したリリーは想像もしなかった。彼が欲したのは「汚れなき花嫁」だということを。
イタリアから来た若くてハンサムな成功者、チェーザレと誰もが羨む恋に落ちたソーチャ。真夏の光のなかで、ふたりは夢中で恋をした。彼からのプロポーズを受け、幸せの絶頂にいたソーチャだったが、すぐに奈落の底に突き落とされてしまう。なんと永遠の愛を誓ったはずのチェーザレの裏切りを目撃してしまったのだ。そして恋は終わり、心の傷が癒えることなく数年が経った頃…。チェーザレがさらに魅力的になってソーチャの前に現われて――!?
「小さな頃からの憧れの王子様マットが帰ってくる!」デイジーの胸は高鳴り、はちきれんばかりの笑顔で彼を出迎える。大人になった私を見てほしい…。しかし、マットは相変わらず子供扱いをしてくる。そこでデイジーは、彼を誘惑することで大人の女性になったことを証明しようとするのだが――!?
砂漠の国カヤーザフで父が油田を発見したことからフランチェスカと国王ザヒドは幼なじみ。数年ぶりに会い、薔薇の蕾がほころぶように美しく成長した彼女にザヒドは目を奪われる。彼女にとっても彼は初恋の人。今や婚約している身だが、胸が淡くときめく。しかし、ザヒドによってフィアンセの浮気と不正を暴きだされ破談に。自分を思ってくれた行動とは言え傷心のフランチェスカは請われるまま彼の国へとついて行く。それが彼女の運命を変えることになるとも知らぬまま。
やり手実業家ダリアン・ワイルドマンが、実はシーク!?本人も知らない秘密を偶然知ってしまった売れないモデルのララ。なりゆきから事の真偽を確かめることになった彼女は、彼の会社のイメージガールを選ぶオーディションに駆け込む。そこで待っていたのは、自信と傲慢さに満ちた、紛れもなく王家の血を引く男性だった…!
世界的に有名な映画監督ダライアス・スピードの家に、住み込みのシェフとして雇われることになったキティー。けれど彼女にはある目的があった。実はダライアスは泥棒なのだ!彼は、キティーの恩人である老女カロが半生かけて書いた脚本をまんまと盗み、自分のものとして映画化しようとしていた。ただし、証拠はどこにもない。そこでキティーはカロのため、盗まれた脚本をとり戻そうとしているのだが、ダライアスの美しい瞳はとても嘘をつくようには見えなくて…。
ヴェネチアへの傷心旅行でミステリアスな男性ガイと出会ったサブリナ。二人は急速に惹かれあい、お互いの素性も知らぬまま奔放な一夜を過ごす。しかし、自分はガイの行きずりの相手にすぎないと悟ったサブリナは、彼に黙って一人帰国。英国での日常に戻ろうとしていたが、そんな彼女を突然、ガイが訪ねてきて…!?
イベントプランナーのシエナが打ち合わせのため、訪れたホテルのロイヤルスイートにいたのは砂漠の王ハシム、かつての恋人だった。5年前、結ばれる寸前までいきながら彼はシエナを汚れた女と決めつけて一方的に捨てた。まさか彼が偽名まで使って私を呼びだし、再び罠にかけようとするなんて…。圧倒的な存在感と、誰もがひれ伏して当然というカリスマ性はいまだに変わっていない。彼はシエナを抱き寄せると甘く口づけた。「君が欲しい。あの夜を終わらせに来た」
清掃アルバイト先のオフィスで見かけるサルヴァトーレに、ジェシカは密かに恋していた。彼はシチリアの名門一族の筆頭で、ロンドン中の女性が熱をあげている。もちろんジェシカなど彼の眼中にないが、ある日、なりゆきでそのサルヴァトーレとパーティーへ行くことに。そして思いがけずふたりは惹かれあいベッドをともにする!けれど甘い思いもつかのま、彼は傲然と言い放った。「結婚しようなんて考えないでくれよ。僕はバージンとしか結婚できないからな」